Off Minor (take 4)
(Thelonious Monk)
(5分12秒)
【この曲、この演奏】
モンク作のこの曲はモンクによって何度も演奏されてきた曲です。コルトレーンの演奏記録は、本セッションだけですが、この曲も1957年のモンク・バンドでのファイヴ・スポット長期出演で何度も演奏されていたのでしょう。
3回の演奏した後に、このテイクが収録されました。4管が重厚さとスピード感を兼ね備えてのテーマは、この曲にふさわしい展開と言えるでしょう。ソロはホーキンスからコープランドへ続き、軽快なモンクのバッキングも加わり、二人の奏者の個性がうかがえる演奏となっています。この後に、前日の病がウソのようなモンクのソロとなり、最後は再び4管が重なりあってのテーマで、エンディングとなります。
これはこれで素敵な演奏ですが、このテイクはこの年の11月に発売されたアルバム「モンクス・ミュージック」には収録されませんでした。しかしながら、リヴァーサイド傍系のジャズランドから1961年に発売されたアルバム「モンク・ウィズ・コルトレーン」に収録されて世に出ました。コルトレーンがソロをとっていないのにとの思いは、多くの方が抱いたことでしょう。
【エピソード、お忙しいコルトレーン】
この年にマイルス・バンドを解雇されたコルトレーンだが、プレスティッジとの契約やモンクとの活動で、非常に忙しい日々を送っていた。ちなみに、4月16日のモンクとのレコーディングから、この6月25日26日のレコーディングまでのコルトレーンの活動は次の通りである。
4月18日 アルバム「キャッツ」のレコーディング
4月19日 アルバム「マル2」のレコーディング
4月20日 テディ・チャールス監修のレコーディング、後にアルバム「ダカール」として発売
5月17日 アルバム「マル2」と「キャッチン・ウィズ」のダブル・セッション
5月31日 初リーダーセッション
他にライブ活動も行っていた。
【ついでにフォト】
2010年 タイプーサム、ペナン、マレーシア
(2022年1月20日掲載)