The Way You Look Tonight
(J.Kern – D.Fiels)
(9分36秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンのこの曲の演奏といえば、本セッションと、翌月の1957年5月17日に行われたプレスティッジでのセッションでしょう。プレスティッジのはマルのリーダー・セッションで、アルバム「マル2」として1957年11月に発売されました。一方のブルーノートでの本セッションは、グリフィンのリーダー作として1957年8月に発売されました。
さて演奏ですが、快調なドラムスからの幕開け、そしてグリフィンがやけに飛ばしたスピードでテーマに入っていきます。そのままグリフィンのソロとなり、モーガン、モブレー、コルトレーンとソロが続きます。その後はテナーとドラムスの4小節交換、そして再びのテーマで演奏が終わっていきます。最後の部分で段取り忘れかと思う部分もありますが、全体的に心地よい高速演奏となっています。そしてその高速を支えているのはブレイキーかなと感じ、ブレイキーのソロも欲しかったところです。
【エピソード、ジョニー・グリフィンとの共演】
コルトレーンとグリフィンの共演記録は、本セッションだけだ。一方で資料07には、二人が同じ日に別のバンドとして同じ場所で演奏していたなどが、幾つも記録されている。やはり売れっ子となった二人を認識するのと同時に、同楽器なので共演はなかったとのであろう。
その中で、興味深い”お話”が一つある。コルトレーンが1958年9月11日に、グリフィンの代役でファイヴ・スポットに出演したとのことだ。
セロニアス・モンクはカルテットで1957年の7月から年末にかけて、断続的にファイヴ・スポットに出演しており、テナー・サックスはコルトレーンであった。1958年もモンクはカルテットでファイヴ・スポットに出演しており、テナー・サックスはジョニー・グリフィンであった。
資料07によれば、1958年9月11日にコルトレーンがグリフィンの替わりにファイヴ・スポットに出演した。
1958年のグリフィンが加わってのモンクのカルテットでの演奏は、名盤2枚で世に出ている。一方の1957年のコルトレーン入りの方は、在籍レコード会社の違いから発売できなかった。録音もなかったと思う。
1993年に”世紀の大発見”としてコルトレーン入りモンク・カルテットのファイヴ・スポットでのライブ・アルバムが発売されたが、それは半年近くコルトレーンとモンクが共に活動した1957年のものではなく、グリフィンの代役としてコルトレーンが出演した1958年9月11日のもであった。
【ついでにフォト】
2005年 香港 赤柱国際龍舟錦標賽2005
(2022年1月14日掲載)