2024年2月3日掲載

Tina Brooks
True Blue
Blue Note原盤
1960年6月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、400円で購入した作品です。

 レコーディング歴に恵まれなかったテナー奏者ティナ・ブルックスの、その当時に発売された唯一のリーダー作品です。

フレディ・ハバード
デューク・ジョーダン
サム・ジョーンズ
アート・テイラー

 このメンバーとの演奏で、特にデューク・ジョーダンの熱気溢れるプレイもあり、ジャズ・ファンにこの作品は愛されてきました。

 アルフレッド・ライオンがティナ・ブルックスをBNのレコーディングに起用したのは、1958年のジミー・スミスのものでした。その後に幾つかのBNレコーディングに、ティナは参加していきました。
最初のリーダー・レコーディングを、ジミー・スミスのセッションの後に行なっていましたが、発売は見送られていました。「マイナー・ムーヴ」とのアルバ名で世に登場したのは、1980年のことでした。

 また1960年9月にもリーダー・レコーディングを行なっていましたが、それも発売は見送られ、「バック・トゥ・ザ・トラックス」とのアルバム名で世に出たのは、1990年頃のことでした。

 ブルージーで人間味溢れるティナ・ブルックスのテナー・サックスを満喫でき、ハード・バップの醍醐味を堪能できる1枚です。デューク・ジョーダンの熱演もあり、またフレディ・ハバードのトランペットとティナのテナーの駆け引きもあり、多くのジャズ・ファンを虜にしてきた作品です。

 ティナはこの録音の1週間ほど前に、フレディの「オープン・セサミ」のレコーディングで好調な演奏を行なっており、この瞬間のティナがいかに輝いていたかが分かるものです。

 このBN時代の後のティナにはジャズとしての活動の場はなく、1974年に亡くなりました。たらればになりますが、もし他のリーダー作2枚も発売されていたならば、ティナの違った晩年があったのかもしれません。