2024年2月2日掲載

James Clay & David “Fathead” Newman
The Sound Of The Wide Open Space !!!!
Riverside原盤
1960年4月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、400円で購入した作品です。

 このジャケットを見て、フレッシュ・サウンドを思い浮かびる方も多いことでしょう。1983年に設立されたスペインのこの会社は、当初は1960年代のレコードの再発を活発に行なっていました。それも世界中でなかなか再発されない、有名盤・人気盤ではないが中身の充実した作品を、再発していったのです。

 当然ながらジャズの新譜を扱うお店では、フレッシュ・サウンドから再発されるアルバムの数々は、高い人気となっていました。そんな中で本作品の再発は、ジャズ盤専門店でジャズ愛好家の熱狂で迎えられていました。

 私が足繁く通っていた渋谷のジャズ盤専門店でも、この作品の最初は注目の的となっていました。ベテランのジャズ・ファンにとってこの作品は、その存在はよく知っているものの、数年に1回店頭に並ぶオリジナル盤はバカ高く、しかもあっという間に売れてしまうものでありました。これを聴ける喜び、そんな感じでベテランの方々はこの再発を購入していました。

 一方の私は、これが再発された1980年代中盤は、ジャズを聴き始めて数年が経った時期で、この作品の存在はこの最初まで知りませんでした。しかしこのジャズの香りがプンプンと漂ってくるジャケットと、これを手にしたお客さんが喜ぶ顔を見て、私は当然のように再発盤を購入し、愛聴していました。

 二人のテナー奏者の中で、デイヴィッド・ニューマンはそれなりに知れた存在と言えるのでしょう。一方のジェイムス・クレイとなると聴ける演奏は数少なく、リーダー・アルバムでは『ア・ダブル・ドーズ・オブソウル』、サイドで参加したコンテンポラリーの『プレゼンティング・レッド・ミッチェル』とリバーサイドの『ムーヴィング・アロング / ウエス・モンゴメリー』くらいの方でした。

 リズムセクションはウイントン・ケリー、サム・ジョーンズ、そしてアート・テイラーという実力者であります。

 このメンバーが気兼ねなくジャズ魂をぶつけ合っており、ジャズに熱気に満ちたアルバムです。収録曲の並びも良く、ジャズの楽しさと凄みを味わえる1枚です。

 フレッシュ・サウンドからの再発で本番の認知度と人気が上がり、国内盤でも発売されるようになりました。その際には、「SJ名盤蒐集クラブ」に認定されたのでした。

 話をフレッシュ・サウンドからの再発に戻しますが、ドラマーのローレンス・マラブルの『テナー・マン』の再発も、ジャズ・ファンが熱狂した1枚でした。テナー奏者はジェイムス・クレイでした。