Miles Davis
So What, The Complete 1960 Amsterdam Concerts
Dutch Jazz Archive Series原盤
1960年4月録音
コルトレーン参加曲解説「今日のコルトレーン」
マイルス・クインテットの1960年のアムステルダム公演2種が収録されているブートレグCD2枚組で、2012年に発売されました。コルトレーン参加の春のツアーでは日付が変わっての4月10日の演奏が、そしてスティット参加の秋のツアーでは10月15日の演奏が収録されています。どちらも他の参加メンバーは、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、そしてジミー・コブです。
4月10日(コルトレーン参加)
Introduction by Norman Granz
If I Were a Bell
Fran-Dance
So What
All Blues
The Theme
10月15日(スティット参加)
Whisper Not
Ease It
Introduction by Norman Granz
But Not For Me
Walkin’
All Of You
So What
The Theme
Stardust
Old Folks
All Blues
The Theme
コルトレーンが参加した演奏については、「今日のコルトレーン」をお読みください。
疲れ切ったマイルス・バンドの演奏が聴けるのも、ブートレグならではの醍醐味です。
そしてスティット参加の秋のツアーですが、リズム陣はまとまりある軽快な演奏で、これにはマイルスは満足していたことでしょう。リズム陣だけでの演奏の「Whisper Not」と「Ease It」で、そんなところを感じ取れます。
やはりこの秋のツアーではスティットとなるのですが、ジャズ・ジャーナリストのベルト・ヴァウシェ氏によるライナー・ノーツによれば、マイルスはスティットの演奏に「失望した」と語っていたとのことです。私には、マイルス抜きでの演奏となった「Stardust」と「Old Folks」でのスティットのどっしりした演奏に、スティットの思いが込められれいるのかとも感じました。
さて海賊盤によるマイルス1960年欧州ツアーの春と秋の聴き比べは、パリとストックホルム、そしてこのアムステルダムの3種類があります。どれもがジャズ・ファンならば、マイルス・ファンならば、そしてコルトレーン・ファンならば、興味が尽きない内容が詰まっているものです。