19600410-02

Fran-Dance
(Miles Davis)
(7分10秒)



【この曲、この演奏】
 コルトレーン参加のマイルス・クインテットの1960春の欧州ツアー、3月22日のストックホルム前半の部と4月8日のチューリッヒに続いて、日付が変わって10日となったアムステルダムでも、この曲が演奏されました。

 8日のチューリッヒではリラックスして楽しさが伝わるテーマ演奏でしたが、このアムステルダムでは影のある演奏というか覇気のないマイルスのミュート・トランペットでのテーマ演奏です。こんな1分半の後にコルトレーンのテナー・サックスが登場しますが、この二人の演奏の間にリズム陣だけの時間が流れています。これは演奏の仕掛けというより、段取りが上手くいかなかったということなのでしょう。

 もう限界と感じさせる疲れ切ったサックスでの、1分20秒です。

 演奏はケリーとチェンバースのソロへと続き、再びマイルスのミュートでテーマを奏でて、終わっていきます。



【エピソード、この日の音源】
 まずは9日のハーグはスケヴェニゲンでの夜8時15分からのコンサートでは、次の曲が演奏されていた。

Kurhaus, Scheveningen, Netherland
-01 So What
-02 On Green Dolphin Street
-03 ‘Round Midnight
-04 Walkin’
-05 The Theme

 この日の演奏曲では、「’Round Midnight」の存在が目をひきます。このコンサートの模様は、VARA Radio Station で生放送されていた。それをエアチェックしたものが、早くからブートレグで発売されたが、残念ながら私は持っていない。 このスケヴェニゲンでの演奏を終えたオスカー・ピーターソンとスタン・ゲッツ、そしてマイルスのグループは、次の会場であるアムステルダムのコンセルトヘボウへ移動していったのだ。

 日付が変わった10日の深夜というか早朝からコンサート始まった。集まった観衆の中には、スケヴェニゲンでの演奏をラジオで聴いていた人達も多くいたそうだ。 このアムステルダムでの演奏録音の存在は、長らく知られていなかった。

 それが2012年にオランダの Dutch Jazz Archive から、この4月8日と、サックスがスティットに替わった1960秋の欧州ツアー10月15日の演奏をおさめたCD2枚組が発売された。日本ではこれとほぼ同時期に55レコーズから国内発売された。

 これは Dutch Jazz Archive の「Jazz at the Concertgebouw」シリーズの一つであり、他にはチェット・ベイカーやジェリー・マリガン、JJ ジョンソンやサラ・ヴォーンのCDも発売されている。
(以上は資料07、そしてこの演奏を収めたCD2枚組国内発売品にある日本語解説から引用した)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2006年 香港


(2023年6月18日掲載)