2022年1月1日掲載

John Coltrane
Trane’s Modes
MCA/impulse原盤
1961年11月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

A面
Impressions (VV. 11/1)
Miles’ Mode (VV. 11/1)

B面
Chasin’ Another Trane (VV. 11/2)
Greensleeves (VV. 11/3)

C面
Impressions (VV. 11/2)
Naima (VV. 11/1)

D面
Africa
The Damned Don’t Cry

 コルトレーンの入魂ライブ、1961年ヴィレッジ・ヴァンガードでの演奏収録作品、第四弾です。

 輝かしい作品を世に送り出したインパルス!ですが、1979年に親会社のABCと共にMCAレコードに売却されました。人気レーベルを買ったMCAは早速その諸作品を再発すると共に、企画ものも発売していきました。

 コルトレーンに関しては「The Mastery of John Coltrane」とのシリーズ名で企画ものを発売しており、このLP2枚組はそのシリーズのvol.4とのことです。その収録内容は熱狂ヴィレッジ・ヴァンガードから6テイク、「アフリカ/ブラス」セッションから2テイクです。

 伝説のヴィレッジ・ヴァンガードから本作に収録されたテイクは、次の通りです。
Impressions 1961年11月1日
Miles’ Mode 1961年11月1日(初出曲)
Naima 1961年11月1日(初出曲)
Chasin’ Another Trane 1961年11月2日
Impressions 1961年11月2日
Greensleeves 1961年11月3日
(Chasin’ Another Traneは初出曲だが、Chasin’ The Traneは1962年に発売されている)
 これで9曲全てが、そして22テイク中17テイクが発売されました。

 また「アフリカ/ブラス」セッションからの初めて世に出る2テイクについて触れます。
 「Africa」は3つのテイクがありますが、ここに収録されたのはその最初のテイクです。「The Damned Don’t Cry」については、初めて発売されたものとなります。

 このLP2枚組はコルトレーンの演奏は全部聴きたいという方々にとっては必須アイテムでしたが、CD化の流れの中でその存在意義は薄れていきました。

 恐らくは25年ぶりに本作品を全て聴いてみると、1961年のコルトレーンの活動の様子が、そしてそこでの魅力が凝縮された作品だと感じました。

 レコードで言えばA〜C面に収録されているヴィレッジ・ヴァンガードでの6つの演奏は、コルトレーンと共にドルフィーの怒号の演奏、そしてそれがバンドとして時には狂気へ向かっていく瞬間など、鳥肌者の演奏が連なっています。これまでのヴィレッジ・ヴァンガード収録3作品には収録を躊躇ったものだったのかとも思っています。

 レコードでいうD面にある「アフリカ/ブラス」セッションの2曲は、このセッションをコンプリートにするという意味もあり、またこのセッションの良さを再認識させるもでもあるのでしょう。