Attila Zoller
Common Cause
Enja原盤
1979年5月録音
ギター奏者アッティラ・ゾラーの「ジプシー・クライ」(2016/7/6)を取り上げた際にも書いたのですが、私はこのゾラーについて完全に間違った認識を持っていました。それはフリー系のギタリストで、しかも私がその世界を理解することは未来永劫ないであろうと感じていた世界でした。フリーと一言でカテゴライズしてしまいますが、コルトレーンやその仲間達が追い求めた世界ではなく、現代音楽を理解できないまま拡大解釈している方々の世界にアッティラ・ゾラー入ると思い込んでいたのです。
とんでもない間違いをジャズ聴き始めの時に頭に刷り込んでしまった私が、その間違いに気づけたのは、今から15年ほど前からの国内盤CD廉価発売によるものであり、それが「ジプシー・クライ」でした。
今日取る上げる作品は、1979年のエンヤの吹き込みで、ロン・カーターとジョー・チェンバーストのトリオでの演奏です。
ギターの弦と胴体の響きが伝わり、楽器自体の存在を楽しめます。そしてジャズギターの王道をいくかの演奏は、技術面とともに歌心があってのものでしょう。何か懐かしさを感じるアッティラ・ゾラー作の曲を聴きながら、そしてベースとドラムスの演奏とトリオの妙に感心しながら、存分に楽しめる作品です。
国内盤CD廉価発売に感謝しながら、SNSから受ける情報のありがたさも実感して、アッティラ・ゾラーの本作品を聴き終えました。また彼はフリー系の演奏を数多く行なっていたことも事実ですので、そしてそんな演奏を私は思い込みから遠ざけていたので、いつかはそのあたりの作品も聴いてみます。