2020年1月10日掲載

Randy Weston
Highlife
Colpix原盤
1963年4月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、300円で購入した作品です。

 まずはハイライフという言葉の意味を。ここでの意味は「上流社会」との意味ではなく、「19世紀からガーナ、シエラレオネ、ナイジェリア、リベリア等西アフリカの英語圏に広まったギター、ジャズ、ブラスバンドなど、ポピュラー音楽の総称」(ウィキペディア日本語版)とのものです。またウィキペディアぺ英語版には、「It uses the melodic and main rhythmic structures of traditional Akan music, but is played with Western instruments」とも書かれています。「伝統的なアカン族のリズム」が、ハイライフと呼ばれる音楽のキーのようです。

 アフリカ文化に魅せられてていったピアニストのランディ・ウェストンが、13名のミュージシャンを集めて作った作品を、今日は聴いてみます。

 この作品を聴いただけでハイライフについて、ましてやアカン族のリズムについて何がわかるということはありませんが、ジャズの新しい表現方法という意味で楽しめる点が多い作品です。オーケストラならではの表現を活かして、タイプ豊かな演奏を並べています。

 今回聴いたとろこでは、「In Memory Of」での深遠さが気に入りました。アフリカ大地の夜が進む中で寒さが身にしてくるような、何かの映画のシーンが浮かんでくるようでした。

 クラブ・シーンでは「Niger Mambo」が注目を浴びたそうです。作者はナイジェリアでナイトクラブを経営していたボビー・ベンソンとのこと。スタイル抜群の男女の絶妙リズム感覚での踊りが浮かんでくるような演奏です。

 本作は名盤が数多あるジャズ界では注目を浴びることは無い作品でしょうけど、触れたら触れたで楽しめる作品です。ランディの「African Cookbook」(2016/2/2掲載)と聴き比べるのも面白いことでしょう。そちらでも「Niger Mambo」が演奏されています。