2020年4月1日掲載

John Coltrane With The Red Garland Trio
Traneing In
Prestige原盤
1957年8月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

 1957年8月23日にコルトレーンが、ガーランド、チェンバース、そしてアート・テイラーと吹き込んだ作品です。

 LP7123との規格番号で最初に世に出たのは1958年2月or3月(ウィキペディア情報)で、燃え上がる赤が印象的なジャケで、「John Coltrane With The Red Garland Trio」とのタイトルでした。後にここに掲載したジャケで、タイトルを「 Traneing In」に変更して発売されました。発売という切り口から見た場合、本作はLP7105に続く、コルトレーンのプレスティッジでの2作目のリーダー作となります。もっともBNへの吹き込み作品は1957年9月録音ながら、2ヶ月後に発売されています。(フレデリック・コーエン氏の著作からの情報)

 本作をワン・ホーン作品として考えた場合、タッド・ダメロンのLP7070「Mating Call」に続く作品です。

 さて本作についてコルトレーンのリーダー作というよりは、ガーランドとの双頭作品と考えている人も多いのではと思います。今回掲載ジャケですとコルトレーンが前面に出ていますが、最初に世に出たジャケならば双頭作品との印象が強くなります。しかしそちらのジャケはCDでは所有しておりませんので、このジャケの掲載となりました。

 各曲についてはコルトレーン特集で触れていますので、ここではアルバム全体のイメージを感じてみます。

 やはりA面に、このカルテットの魅力が詰まっています。
燃え上がる1曲目の「Traneing In」、そしてコルトレーンが拾い上げたバラッドの隠れ名曲の名演「Slow Dance」と、ガーランドと組むワン・ホーンのコルトレーンを堪能出来る内容です。この2曲は、本アルバム収録の全てが吹き込まれた1957年8月23日のセッションで、最後に演奏されたものです。コルトレーンとガーランド、そしてチェンバースにテイラーも、心底ジャズに酔っているような怪演となっています。

 でもB面もなかなかのもの。アップにバラッドに最後にまたアップと変化を持たせ、楽しませてくれる内容です。
プレスティッジ時代の貴重なワン・ホーンのコルトレーンです。