New Air
Live At Montreal International Jazz Festival
Black Saint原盤
1983年7月録音
ヘンリー・スレッドギル、フレッド・ホプキンス、スティーヴ・マッコールの3人で活動していたエアーは、1975年から1982年にかけて9枚のアルバムを残しました。しかしスティーヴ・マッコールが抜け、新たにドラマーとしてフェローン・アクラフが加わりました。
1955生まれのフェローン・アクラフは、1970年代からオリヴァー・レイクなどと活動し、1980年代に入るとヘンリー・スレッドギルを支える人物となっていきました。このエアーからスティーヴ・マッコールが抜けた理由は分かりませんが、フェローン・アクラフが加わったのは自然の流れのように感じます。
そんな新生エアー、ニュー・エアーの演奏を最初の聴けたのはこのアルバムでした。1983年7月のモントリオール国際ジャズフェスティバルでの演奏です。
ヘンリー・スレッドギルのサックスの持ち味が存分に響き渡っており、ライブならではの演奏も味わえ、新生エアーを楽しめる作品です。
Wikipediaによれば、The Allmusicでは本作品に辛めの点数を付けたとのことです。「ホプキンスはこの日はアクラフとそれほどスムーズには噛み合わなかったが、アルバム中盤までには快適な出会いの場を見つけた。」とのことが、その点数の理由のようです。
私には、スレッドギル – ホプキンス – マッコールという強力なトリオが、ドラマーを交代したことで新たな出発を図った、意義あるライブ盤と感じています。The Allmusicの評をそのまま受け入れるならば、それは新生エアーがトリオとして結束していくステージを捉えた貴重な演奏と、考えるべきでしょう。