2024年4月3日掲載

Charlie Haden
First Song
Soul Note原盤
1990年4月録音

 チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンズ、そしてエンリコ・ピエラヌンツイという名手3名による、ピアノ・トリオでの作品です。1987年11月に同じソウル・ノートで、この3名にチェット・ベイカーを加えて「Silence」というアルバムを録音していました。そのセッションから、このピアノ・トリオでの作品の構想がでたのでしょう。

 さてチャーリー・ヘイデンとピエラヌンツイの共演ですが、ネット上にあるディスコグラフィーをみますと、レコーディングという意味では先の「Silence」と本作品だけのようです。

 アルバム名はヘイデンの名曲であり、このアルバムの冒頭に収録されています。

 哀しみが美しく響くピエラヌンツイの魅力と、そんなピアノを骨太のベースでより輝かせるチャーリー・ヘイデン、この2人の飽きることない演奏が60分続く内容です。

 ビリー・ヒギンズのドラムスは、そんな2人の演奏をひっそりと支えているとも言えます。しかし言い方を変えれば、極端な録音レベルの低さから、存在を感じられないとも言えます。

 折角のトリオでの演奏ですので、ドラムスが存在感を発揮しての演奏を聴きたかったところです。ただ、ほぼデュオでの素晴らしい演奏ですので、それはそれで大満足です。