Enrico Pieranunzi
Ma l’amore no
Soul Note原盤
1997年2月録音
このピエラヌンツイの作品は、このトリオをベースにして、歌手の Ada Montellanico をフューチャーして、さらに11曲中6曲にリー・コニッツ、そして2曲にエンリコ・ラヴァが客演しています。
アルバム名になっている「Ma l’amore no(でも愛ではない)」という曲は、ジョヴァンニ・ダンツィとミケーレ・ガルディエーリによって書かれた曲で、1942年のイタリア映画「Stasera niente di nuovo」で取り上げられています。映画の中ではアリダ・ヴァリが歌い、その後、リナ・テルミニが歌い、イタリアでは有名曲になっています(Wikipediaより)
このアルバムは、イタリア映画にちなんでいる曲が中心になっています。
いつになくアグレッシヴなピエラヌンツイ、そして1985年からピエラヌンツイと共演を重ねているアダ・モンテラニコの頼もしくも自由奔放な女性のような歌声が、このアルバムの主体となっています。そして、心に響く映画で取り上げられた曲の数々が、輝いている作品です。
「Ma l’amore no(でも愛ではない)」ではそんなアルバムの方向性の上で素敵な演奏となっており、多くのジャズマンと共演しているアダ・モンテラニコの歌声、そしてラヴァのトランペットのセンスの良さが加わり、快調なピエラヌンツイが楽しめます。
本作は、名作が並ぶピエラヌンツイの作品群のなかでは目立つアルバムと言えませんが、アルバムの企画の良さがあり、なかなかのものです。