2022年4月1日掲載

John Coltrane
A Love Supreme
impulse!原盤
1964年12月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

「娯楽音楽であったジャズが発展し、戦後のモダンジャズが芸術音楽化した中で到達した一つの到達点を象徴した、複雑かつ極めて独創的で創造的な歴史的作品」(ウィキペディア)

コルトレーンのインパルス!第10弾として、1965年1月に発売された作品です。録音が行われた1964年12月9日の「今日のコルトレーン」、そしてシェップ入りの「至上の愛」に挑んだ1964年12月10日の「今日のコルトレーン」に、このレーコーディングの詳細を書いてあります。

時系列だけここで触れますが、この1964年の前半にはコルトレーンはアルバム「クレッセント」の制作に力を注ぎました。この年の7月以降はライブを控え、この「至上の愛」制作に向けての構想を練り、満を持して12月9日のレコーディングに臨みました。意気込みはインパルス!も同じであり、翌月にはA(S)-77との規格番号で、このアルバムを発売したのです。

 音楽が持っている熱量の凄さを認識し、コルトレーンが探し求めた愛を思い、自分にとっての愛とは何かを自問する。これがこの作品を聴き終えた後の、私の目一杯にカッコつけた感想です。

 私の知り得る限りでは、この作品は2回に渡って、”発掘”音源を加えて発売されています。2002年と2015年のことでした。この後にこの2回を取り上げます。