2022年2月2日掲載

The John Coltrane Quartet
Coltrane
impulse!原盤
1962年6月録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

 ジョン・コルトレーンがインパルス!で発表した、第三作目です。

A(S)-06 Africa/Brass 1961年9月1日発売
A(S)-10 Live at the Village Vanguard 1962年2月発売
A(S)-21 Coltrane 1962年8月発売

 インパルス!で約半年間隔で新作を発表しているコルトレーンですが、その営業成績はインパルス!曰く好調だったとのことです。

 この作品の特徴としては何と言っても、黄金カルテットでの(LPとしては)初作品であることでしょう。このアルバム、通称「インパルス!のコルトレーン」の制作に向けて4回のスタジオ・セッションが行われました。収録曲毎の録音年月日は、次の通りです。
A面
Out of This World 1962年6月19日
Soul Eyes 1962年6月19日

B面
The Inchworm 1962年4月11日
Tunji 1962年6月29日
Miles’ Mode 1962年6月20日

(1962年4月12日に演奏された4曲は、今日に至るまで未発表のまま)

 各曲については「今日のコルトレーン」を参照して下さい。

 A面では前年の1961年11月のヴィレッジ・ヴァンガードでコルトレーンが築き上げたスピリチュアルな世界が、力強い演奏で14分繰り広げられています。この「Out of This World」の演奏に浸りながら、そのエンディングのドラムス、その最後のシンバルの響きを耳に残しながら、次のスタンダードのバラッド「Soul Eyes」に続いていく瞬間は、実に心に残るものです。

 B面も、楽しげに弾む演奏、抑えた感情表現が光る演奏、そしてコルトレーンの爆発するソロを堪能できる演奏と、聴きごたえある内容です。

 秀逸なジャケットと相まって、名盤の誕生と言えます。