19620620-02

Miles’ Mode
(John Coltrane)
(7分34秒)



【この曲、この演奏】
 ヴィレッジ・ヴァンガードの初日と三日目に演奏された曲でありますが、その発売は1979年と1997年であるため、レコードとして初めて世に出たのはこの日の演奏となります。このテイクに続いてもう一度この曲を演奏していますが、A(S)-21「Coltrane」に収録されたのは、最初に演奏されたこのテイクでした。

 さて演奏ですが、短いテーマの後にコルトレーンのソロが爆発します。そして続くのはマッコイのピアノです。これを聴いていると、リズム陣の一体感が日に日に増していることが分かります。ベースのソロを入れてエンディングとなっていきます。
なおこの曲は、「The Red Planet」や「Trane’s Mode」との曲名も使われています。




【エピソード、恋人の日記 その1】
 資料01には、コルトレーンの恋人の日記、というのが数回分掲載されている。その中から1962年のを紹介する。

五月四日
 サンフランシスコ訪問。ジョンはシビック・マナー・モールに宿泊していた。彼の好きな Bergdorf Goodman のコロンをあげる。ラルフ・グリーンが、ジョンを聴きに「ジャズ・ワークショップ」に連れて行ってくれた。

六月一日
 ニューヨークに帰って来た。午後十一時十五分、ジョンの電話。まだマウスピースの具合が悪いらしい。自分のことを本当はサキソフォンを持ってうろうろしている気の弱い小男で、ただそれを表面に出さないだけだと言う。ジャック・ホイットモアにかけ合って、出演料をあげてもらい、それでウエス・モンゴメリーを雇いたいらしい。少しやせたいと言う。もうすぐ一七〇ポンド(約77キロ)だと期待の色。

七月三十一日
 ショー・エージェントからジョンの仕事、来週はお休み。

十二月七日
 ヨーロッパからの帰途、エルヴィンが麻薬の不法所持と密輸入で逮捕された。それもなんとボストンで見つかったらしい。

 この中で私が重要だと考えたことは、1962年のマウスピース不調をコルトレーンから直接聞いた件、そしてウエス・モンゴメリーをバンドに入れたがっていたとの件である。
 この時期はまだネイマと結婚中のコルトレーンであった。

初収録アルバム

【ついでにフォト】

2010年 マレーシア ペナン島でのタイプーサム

(2021年2月22日掲載)