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  • 1155 Chuck Marohnic / Permutations
  • 1318 Larry Willis / Unforgettable: Piano Solos
  • 1293 Stanley Cowell Trio / Games

 アメリカのどこかで生まれたチャック・マローニック、ニューヨーク生まれのラリー・ウィリス、オハイオ生まれのスタンリー・カウエル、こんな3人のピアニストが、スティープル・チェイスからリーダー作品を発表しました。


1155 Chuck Marohnic / Permutations

 知名度が薄いピアニストのチャック・マローニックですが、Wikipediaによればリーダー作品が8つあります。そんな中の2つがスティープル・チェイスからのものです。ここで取り上げるのはその1作目、ソロ・ピアノでの1980年頃に録音されたもので、彼のオリジナルに加えて、スランダードの『Stella By Starlight』も演奏されています。

 深みがあり刺激もあるチャック・マローニックの『Stella By Starlight』は、なかなかのものです。


1318 Larry Willis / Unforgettable: Piano Solos

 数多くのリーダー作品を発表しているラリー・ウィリスは、スティープル・チェイスにも多くのリーダー作品を残しました。1989年に最初の録音、そしてここで取り上げるアルバムは3作目のもので、1992年にソロ・ピアノで録音されました。アルバム名にもなっている『Unforgettable』はアービング・ゴードンによる曲で、多くの歌手に愛され、そしてオスカー・ピーターソンなどのピアニストからも愛された曲です。

 豊かな歌心でのラリー・ウィリスの『Unforgettable』を聴いていると、気持ちが広がっていきます。


1293 Stanley Cowell Trio / Games

 スタンリー・カウエルも多くのリーダー作品を残した方で、スティープル・チェイスにも何枚もの作品を録音しています。ここで取り上げるのはこのレーベルでの3作目のもので、ピアノ・トリオでの演奏です。なおアルバム名にも貼っている『Games』は、スティーヴ・コールマン作となっています。

 スタンリー・カウエルの魅力の一つに、ストラタ・イーストを共同設立した1970年代初頭の、商業主義に流されずに新たなジャズを模索していた姿があります。そんな時期から20年が流れた1991年のこの『Games』の演奏には、そんなカウエルの魅力が詰まっています。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2025年5月19日掲載