
- 1036 Hilton Ruiz / Piano Man
- 1043 Mary Lou Williams Trio / Free Spirits
- 1067 Hal Galper Quintet / Reach Out!
ニューヨーク生まれのヒルトン・ルイス、アトランタ生まれのメアリー・ルー・ウィリアムス、 セーラム生まれのハル・ギャルパー、こんな3人のピアニストが、スティープル・チェイスにリーダー作品を残しました。
1036 Hilton Ruiz / Piano Man
スティープル・チェイスに4枚の作品を残したヒルトン・ルイスの、最初のアルバムが、この1975年6月録音作品です。バスター・ウィリアムス、ビリー・ヒギンズとのトリオでの演奏です。この中に、デューク・ジョーダン作の『Misty Thursday』が収録されています。ジョーダンのレコーディングとしては、この1975年の3月に初めて行われたもの(jazzdisc.org)です。このヒルトン・ルイスの録音の時には、このジョーダンの演奏はレコード発売とはなっていませんでした。
穏やかな気持ちを拾い集めたようなこの『Misty Thursday』を、ヒルトン・ルイスの優しさで包み込んだような演奏、素敵なものです。
1043 Mary Lou Williams Trio / Free Spirits
アメリカのジャズ史を語る上で外すことのできないメアリー・ルー・ウィリアムスですが、スティープル・チェイスでは4つのレコーディングに参加しました。晩年の彼女のこの4枚の中に、リーダー作品が1つあります。1975年に録音されたこのトリオでのアルバムの中に、ジョン・スタブルフィールド作のものが2曲収録されており、その1つがアルバム名にもなった『Free Spirits』です。
閉した願いに明るい日差しを当てるような、気持ちを揺さぶるこの『Free Spirits』の演奏は、辛苦の連続を乗り越えてきたメアリー・ルー・ウィリアムスの底力を感じる演奏となっています。
1067 Hal Galper Quintet / Reach Out!
ハル・ギャルパーのスティープル・チェイスでの唯一のこのリーダー作品は、1976年11月に録音されました。ブレッカー兄弟が加わってのクインテットでの演奏で、タイトル曲はギャルパー作のものです。
ブレッカー兄弟とギャルパーによる、若さ溢れる感性のぶつけ合いは、勢いたっぷりのもので、ジャズの魅力に溢れています。
【ついでにフォト】

2006年 香港
2025年5月16日掲載