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  • 1165 Duke Jordan Trio / Thinking of You
  • 1141 Horace Parlan / Musically Yours
  • 1153 Tete Montoliu / Boston Concert vol. 2

 ニューヨーク生まれのデューク・ジョーダン、ピッツバーグ生まれのホレス・パーラン、スペインはカタロニア生まれのテテ・モントリュー、こんな3人のピアニストが、スティープル・チェイスにリーダー作品を残していきました。


1165 Duke Jordan Trio / Thinking of You

 スティープル・チェイスを支えたデューク・ジョーダンは、ここに23枚のリーダー作品を残しました。その中の17枚がトリオでの録音であり、その中で目立たないが愛されているアルバムが、この1978年と1979年に録音されたこのアルバムです。全10曲がジョーダン作のもので、その中のアルバム名にもなった『Thinking of You』は、この時期にジョーダンが何度か演奏していたものです。

 ペデルセンのアルコとピッチカートでのベース演奏が響く中で、優しいメロディを大切に弾いていくジョーダンのピアノが印象に残る、『Thinking of You』です。


1141 Horace Parlan / Musically Yours

 ホレス・パーランはスティープル・チェイスに9枚のリーダー作品を残し、その中にソロ・ピアノでの作品が2つあります。その最初のものが、この1979年録音のものです。アルバム名にもなっている『Musically Yours』はパーラン作のもので、他の7曲はスタンダードが並んでいます。

 相手の成長を陰から見守る心境をそっと描いた『Musically Yours』、パーランの深みのソロ・ピアノで楽しめます。


1153 Tete Montoliu / Boston Concert vol. 2

 テテ・モントリューは1980年3月17日に、ボストン大学内のモーゼ講堂でソロでのコンサートを行いました。それがスティープル・チェイスで録音され、翌年にLP2枚で発売されました。ここで取り上げるのはその第2集で、ミュージシャン作の有名曲が並んでいる中に、モントリュー作の『Apartment 512』なる曲があります。

  憂いの旋律が常に流れ、そこに幾つかの物語を詰めていく演奏内容です。曲名からすると、集合住宅の各部屋の様子を描いているのでしょう。10分を超える演奏は、派手さは無い展開ながら、聴き入ります。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2025年5月14日掲載