
- 1003 Joe Albany / Birdtown Birds
- 1014 Ken McIntyre / Hindsight
- 1072 Lee Konitz Quartet / Jazz à Juan
ジャズ・ファンならば誰でもこの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』について、1時間は語ることができるのでしょう。モンク手がけた多くの曲の中でも、飛び切りのこのバラード、スティープル・チェイスではジョー・オーバニーやケン・マッキンタイヤーにリー・コニッツが演奏しました。
1003 Joe Albany / Birdtown Birds
スティープル・チェイスに2枚のリーダー作品を残したジョー・オーバニーの、その最初の作品はトリオでの演奏で、1973年4月に録音されたライブ盤です。パーカーやガレスぴーなどの有名曲が並んでいる中に、この『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』も入っています。
この曲ではベースのヒューゴ・ラスムッセンとのデュオでの演奏で、オーバニーは真正面からこの曲に取り組んでいます。Wikipediaにあるこのアルバムのページでは、「the solo passages are rife with misfingerings」などという酷評が掲載されていますが、私にはオーバニーの人間味が迫力を持って表れている演奏だと感じます。
1014 Ken McIntyre / Hindsight
スティープル・チェイスに5枚のリーダー作品を残したサックス奏者のケン・マッキンタイヤー、その最初のアルバムでこの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』が演奏されています。ケニー・ドリューが参加しての、カルテットでの演奏です。
切ない気持ちでの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』、マッキンタイヤーとドリューの好演で楽しめます。
1072 Lee Konitz Quartet / Jazz à Juan
スティープル・チェイスに11枚のリーダー作品を残したリー・コニッツの、4枚目のアルバムの中で、この『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』が演奏されています。重鎮コニッツが、ピアノにマーシャル・ソラール、ドラムスにダニエル・ユメールという大御所を迎えて、フランスはアンティーブにあるジュアン・レ・パンで行われたジャズ・ア・フアンというジャズ・フェスティヴァルでの演奏です。1974年7月26日のことで、ベースにはニールス・ペデルセンが加わっています。
戸惑いの演奏での『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』、これだけのメンバーでもこんな演奏となってしまう、これはこれで楽しみましょう。
【ついでにフォト】

2006年 香港
2025年4月24日掲載