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  • 1011 Duke Jordan / Flight to Denmark
  • 1064 Duke Jordan / Live in Japan vol. 2
  • 1131 Chet Baker Quartet / No Problem

「モダン・ジャズとフィルム・ノワールがドッキングした1959年の仏映画『危険な関係』の主題歌(20世紀ジャズ名曲大事典より)」である『ノー・プロブレム』又は『危険な関係のブルース』となれば、やはり作者のデューク・ジョーダンとなります。

 デューク・ジョーダンがスタジオでコンサートで、そしてチェット・ベイカーのアルバムにゲスト参加して、この曲を演奏しています。


1011 Duke Jordan / Flight to Denmark

 デューク・ジョーダンのスティープル・チェイス第1作のこのアルバムは、1973年の終盤にコペンハーゲンのスタジオで録音されました。マッズ・ヴィンディングとエド・シグペンとのトリオでのこのアルバムは、ジョーダンの代表作に、スティープル・チェイスの大人基盤に、ピアノ・トリオ作品の名盤になっていきました。その先頭に、当然のように『ノー・プロブレム』です。

 美しく切なく、でも前を向いての『ノー・プロブレム』、輝いています。


1064 Duke Jordan / Live in Japan vol. 2

 デューク・ジョーダンはスティープル・チェイスに22枚のリーダー作品を残しました。その中でこのアルバムは、企画番号順でいえば、5作品目となります。ウィルバー・リトルにロイ・ヘインズとのトリオで、1976年9月20日に福岡の電気ホールでのコンサートを収録したアルバムです。1枚ものの二つのアルバムで発売され、『危険な関係のブルース』は第2集に収録されています。

 この曲のテーマで盛り上がる電気ホールのお客さんを、幾つもの仕掛けを用意しての10分間の熱演で酔わしていきます。さすがはジョーダン、さすがは名曲です。


1131 Chet Baker Quartet / No Problem

 スティープル・チェイスの看板であるデューク・ジョーダンは、自分の冠アルバム以外にも、二つのアルバムで演奏しています。一つはギターのダグ・レイニーの1977年9月録音アルバムで、もう一つがこのチェット・ベイカーの1979年10月録音アルバムです。

 スティープル・チェイスに6枚のリーダー作品を残していくチェット・ベイカーのこのカルテット作品は、全曲がデューク・ジョーダン作のものです。そしてその先頭は、やはり、映画『危険な関係』の主題歌です。

 ベイカーの枯れた味わいのトランペットに、この曲が似合います。ジョーダンも絶妙の目立ち具合で、ベイカーの演奏を引き立てています。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2025年4月22日掲載