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  • 1167 Horace Parlan / The Maestro
  • 1184 Jimmy Raney and Doug Raney / Nardis
  • 1262 Ron McClure Quartet / McJolt

 「マイルス・デイビスが、バンド・メンバーだったキャノンボール・アダレイのために特別に書き下ろした。不思議なことに、マイルス自身は一度も録音していない。キャノンボールのそのときの作品『ポートレイト・オブ・キャノンボール』に参加したビル・エバンスが、この曲を気に入り、生涯演奏しつづけた」(20世紀ジャズ名曲大事典より)

 そんな曲をスティープル・チェイスでは、ホレス・パーランやレイニー親子とロン・マクルーアが演奏しています。


1167 Horace Parlan / The Maestro

 スティープル・チェイスに11枚のリーダー作品を残したホレス・パーランの、8枚目の作品に、この『ナーディス』が収録されています。前作「Musically Yours」に続き、パーランはソロ・ピアノで録音に臨みました。

 パーランの魅力あるタッチで、悲しい雰囲気の夕暮れを、聴くものの想像力を膨らませる演奏となっています。


1184 Jimmy Raney and Doug Raney / Nardis

 ジミー・レイニーとダグ・レイニー、この親子共演の作品が、スティープル・チェイスに3つあります。その3枚目のこのアルバムは、前作『Duets』に続き、二人だけでの演奏となりました。演奏されている『ナーディス』が、そのままアルバム名になりました。

 親子交互に前面に出ての演奏で、軽やかなやり取りで、この曲の魅力を引き出しました。


1262 Ron McClure Quartet / McJolt

 ベース奏者ロン・マクルーアがカルテットで1989年12月に録音したこのアルバムが、スティープル・チェイスに多くのリーダー作品を残した彼の、最初のものとなります。ここに、『ナーディス』が収録されています。 

 ギタリストのジョン・アバークロンビーの色合い濃くはじまりますが、マクルーアの骨太技巧派演奏で悲しさを吹き飛ばしていこうとの気合いでの演奏となり、リッチー・バイラークのピアノも負けじとそれに加わり、興味深い『ナーディス』となりました。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2025年4月9日掲載