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- 1233 Red Rodney Quartet / Red Giant
- 1250 Eddie Henderson Quintet / Phantoms
- 1254 Bill Hardman Sextet / What’s Up
1927年生まれのレッド・ロドニー、1933年生まれのビル・ハードマン、1940年生まれのエディ・ヘンダーソン、この3人のトランペッターが1980年代後半にスティープル・チェイスに登場しました。
1233 Red Rodney Quartet / Red Giant
1940年代から亡くなる1994年までの半世紀に渡り活動してきたレッド・ロドニーですが、
1950年代と1970年代には空白期間があります。1950年代のは薬物、1970年代には薬物に加え、大病や破産があったとのことです。(ウィキペディアより)
そんな彼をヨーロッパは温かく迎え、ロドニーは1970年代半ばから欧州のレーベルから作品を発表していきました。そしてロドニーはは1988年に、スティープル・チェイスでレコーディングを行い、この初スティープル・チェイス作品を残しました、
「Greensleeves」「Giant Steps」「Everytime We Say Goodbye」「Jitterburg Waltz」という収録曲をみますとコルトレーンとなるのですが、ロドニーは穏やかな演奏です。表現に迷いも感じますが、この時期でも活発なレコーディングを行なっていたレッド・ロドニーを聴けるだけで私は満足です。
1250 Eddie Henderson Quintet / Phantoms
お医者さんでありジャズ・トランペッターのエディ・ヘンダーソンは、1989年にスティープル・チェイスへ録音を行いました。ピアノにケニー・バロン、ヴィブラフォンにジョー・ロックなどを迎えての、クインテットでの演奏です。
このアルバムにも「Jitterbug Waltz」「Naima」とコルトレーン関連の曲が収録されています。心に染み入る「Naima」は、エディ・ヘンダーソンの表現の深さを感じる演奏です。ケニー・バロンとジョー・ロックの好演もあり、素敵なアルバムになりました。
1254 Bill Hardman Sextet / What’s Up
お馴染みビル・ハードマンですが、ウィキペディアによればリーダー作品は5枚だけのようです。ハード・バップの立役者の一人であるハードマンだけに、実に少ない枚数と言えるのでしょう。その5枚のリーダー作品の最後は、1990年に亡くなる前年にスティープル・チェイスで録音された本作品です。ロビン・ユーバンクスやジュニア・クックなどが参加してのセクステットでの演奏です。
ジャズ・メッセンジャーズで多くの演奏を行なったビル・ハードマンですが、このアルバムではそんな活動を思い浮かばせる曲が収録されています。「Whisper Not」や「Like Someone In Love」では、ロビン・ユーバンクスとジュニア・クックとの三管編成を生かした展開の演奏であり、またハードマンのソロであります。亡くなる直前ながら創作意欲に溢れているビル・ハードマンの姿を味わえる、貴重なアルバムとなっています。
【ついでにフォト】
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2013年 ペナン マレーシア
2025年2月16日掲載