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  • 1147 Teddy Edwards / Out of This World
  • 1151 Eddie Harris / Steps Up
  • 1170 Frank Foster Quartet / The House That Love Built

 スティープル・チェイスでリーダー作品を発表したテナー・マンを登場順に取り上げる企画の4回目、こんな3人の登場です。


1147 Teddy Edwards / Out of This World

 パーカーと友人だったテディ・エドワーズは、50歳代に入っての1970年代も元気に演奏活動を行い、リーダー作品を発表しておりました。スティープル・チェイスとの縁はこの1枚だけで、1980年12月に録音されました。ケニー・ドリューにイエスパー・ルンゴー、そしてビリー・ハートという、スティープル・チェイスのご自慢のリズム陣との演奏になりました。

 「Out of This World」もいい、「Cheek to Cheek」も素敵です。その中で、雪のジャケットなのに収録されている「Summertime」では、絞り出すように、語りかけるようにのテナー・サックスで、テディ・エドワーズを満喫できる演奏になっています。


1151 Eddie Harris / Steps Up

 1960年代から継続して多くのリーダー作品を発表してきたエディ・ハリスですが、1981年2月にスティープル・チェイスにもリーダー作品を録音しました。彼は1990年代に入ってからもスティープル・チェイスでアルバム制作を行いましたが、そちらは一人での録音で、テナー・サックスとピアノを演奏するとのものでした。この1981年2月録音作品は、テテ・モントリューを始めとしたリズム陣との演奏です。因みにモントリューがスティープル・チェイスでサイド参加となる作品は、このエディ・ハリスのを含めて4つあります。

 華麗に元気よくテナー・サックスが響くエディ・ハリス作のタイトル曲は、清々しくも感じるし、猥雑な空気も流れるし、なかなかの演奏となっています。そしてモントリューですが、エディ・ハリスの相性が抜群だと、私は感じました。


1170 Frank Foster Quartet / The House That Love Built

 ベイシー楽団、エルヴィン・ジョーンズ、或いはサド・メル・ビッグバンドといったところでの演奏が印象深いフランク・フォスターは、もちろん多くのリーダー作品を残しております。スティープル・チェイスではサイド参加で3枚のレコーディングで演奏した後の1982年9月に、このリーダー作品をホレス・パーランなどと録音しました。フランク・フォスターにとってこれが、最後のスティープル・チェイスとなります。

 「愛のある家」とのタイトル曲は、フォスター作のものです。忘れられない時を思い浮かべ、切々とテナーでそれを表現していくフォスターの演奏には、人間の深みを感じます。


【ついでにフォト】

2012年 ペナン マレーシア

2025年1月28日掲載