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  • 1080 Dexter Gordon / Biting the Apple
  • 1082 Doug Raney / Introducing Doug Raney
  • 1096 Louis Smith Quintet / Just Friends

 スティープル・チェイス立ち上げに貢献した30枚、その8回目の今回は、興味深い組み合わせです。


1080 Dexter Gordon / Biting the Apple

 デクスター・ゴードンのスティープル・チェイスでの8作目は、バリー・ハリス、サム・ジョーンズ、アル・フォスターとのカルテット作品です。1976年11月9日にニューヨークでの録音で、貫禄のジャケットもあり、大ヒット作となった高評価アルバムです。

 バリー・ハリスなどのリズム陣の好演がありますが、それを忘れさせるゴードン節全開のこのアルバム、大物を配した立ち上げ期のスティープル・チェイスを象徴しています。


1082 Doug Raney / Introducing Doug Raney

 ギター奏者のダグ・レイニーの、スティープル・チェイス初参加アルバムであり、彼の単独名義のリーダー作品です。これ以降、ダグ・レイニーはスティープル・チェイスで、父親とのデュオに、リーダー作品に、サイド参加にと、大いなる活躍をしていきます。21歳という青年らしい生意気さがあるジャケが印象的なこの作品は、1977年9月にコペンハーゲンで録音されました。

 若さをぶつけた「Mr. P.C.」を聴けば、このギタリストに誰もが期待をしたことでしょう。スティープル・チェイスを引っ張っていた一人のデューク・ジョーダンの好演、そして若き才能を見出して看板にしていくスティープル・チェイス、そんな特徴が現れている1枚です。


1096 Louis Smith Quintet / Just Friends

 ブルーノート1500番台のトランペッターといえばルイ・スミスですが、その後は表立った活動は見られませんが、1970年台後半になってからスティープル・チェイスで表舞台に返り咲き、このレーベルに10枚以上の作品を残していくことになります。まさに、スティープル・チェイスのトランペッターはといえば、ルイ・スミスなのです。その初作品となるのが、このアルバムです。ジョージ・コールマンとハロルド・メイバーンが参加した、クインテットでの演奏です。

 埋もれているジャズマンに再びの脚光を与えようとのスティープル・チェイス、それに応え、それを大きく上回る演奏を残すルイ・スミス、素敵な1枚となりました。


【ついでにフォト】

2012年 ペナン マレーシア

2025年1月22日掲載