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  • 1047 Clifford Jordan and the Magic Triangle / The Highest Mountain
  • 1067 Hal Galper Quintet / Reach Out!
  • 1079 Archie Shepp and Horace Parlan / Goin’ Home

 立ち上げのスティープル・チェイスを支えた30枚、その7回目は1000番台中ほどからの3枚、レーベルの個性が出ていく3枚です。


1047 Clifford Jordan and the Magic Triangle / The Highest Mountain

 クリフォード・ジョーダンのスティープル・チェイス第2作は、第1作『Firm Roots』と同日の録音です。シダー・ウォルトン、サム・ジョーンズ、ビリーヒギンズとの1975年4月18日の演奏です。
 クリフォード・ジョーダン作の十八番「Bearcat」や、ウォルトン作の「The House on Maple Street”」など、メンバー全員の快調な演奏を味わえる1枚です。


1067 Hal Galper Quintet / Reach Out!

 ピアニストのハル・ギャルパーがリーダー作品を制作できるようになったのは、30歳代半ばとなった、1970年代に入ってからのことでした。メインストリームに3枚、その後に2枚のリーダー作品を残しました。その最初のものはリー・コニッツとの共同名義のアルバムで、デュオでの演奏でした。この2枚目となるアルバムは、ブレッカー兄弟を加えての、クインテットでの演奏です。ちなみにブレッカー兄弟のリーダー作品は、スティープル・チェイスにはありません。サイドでのスティープル・チェイスとなると、ランディはこのアルバムを含めて3つの作品に参加していますが、マイケルはこのアルバムだけであります。

 人気者となっていたブレッカー兄弟の切れ味の良い演奏に、ギャルパーの思いを込めたピアノ演奏がぶつかり、極上のアルバムとなり、大いなる人気盤となりました。


1079 Archie Shepp and Horace Parlan / Goin’ Home

 アーチー・シェップは、スティープル・チェイスに4枚の作品を残しています。その全てがデュオ・アルバムであり、相手との共同名義のアルバムです。シェップのスティープル・チェイスでのデュオ四部作の最初は、ホレス・パーランとの演奏となりました。1977年4月25日の録音です。

 トラディショナルな曲が並んでいるこのアルバムの中で、最初に演奏されるのがアルバム名にもなった「Goin’ Home」です。アフリカ系アメリカ人の想いが願い込められているこの曲を、気持ち豊かに穏やかに演奏し、深く心に刺さるものとなっています。ジャズの波の中でシェップとパーランはそれぞれの活動を行い、ジャズにとって荒波の1977年にこの演奏に到着したことは、感慨深いものです。


【ついでにフォト】

2013年 ペナン マレーシア

2025年1月21日掲載