074

  • 1048 Kenny Drew Trio / Morning
  • 1003 Joe Albany / Birdtown Birds
  • 1286 Paul Bley / Indian Summer

 ニューヨーク生まれのケニー・ドリュー、アトランティックシティ生まれのジョー・オーバニー、モントリオール生まれのポール・ブレイ、こんなピアニストたちが、デンマークで生まれたてのレーベルにリーダー作品を残しました。


1048 Kenny Drew Trio / Morning

 スティープル・チェイスを語る上で、ケニー・ドリューは外せません。このレーベルの2枚目のアルバムは、ドリューとペデルセンのデュオ作品で、このアルバムは世界的なヒット作品となりました。そのドリューはスティープル・チェイスに、10枚の作品を残しました。ここでは7枚目のアルバム、1975年9月にトリオで録音したアルバム「Morning」を取り上げます。このアルバム名になった曲は、Per Carstens なる方が作った曲です。

 ギターとベースとドリューが奏でる「Morning」は、穏やかな早朝の風のようで、なかなかのものです。


1003 Joe Albany / Birdtown Birds

 ジョー・オーバニーはスティープル・チェイスに2枚のアルバムを残しました。その最初のアルバムはライブ盤で、スティープル・チェイス第3弾として登場したものです。そしてジョー・オーバニーの表舞台への再登場アルバムでもあります。ピアノ・トリオでのこのアルバムには、チャーリー・パーカー作の『Steeplechase』が収録されています。

 ビバップの時代に活躍していたジョー・オーバニーが、49歳の時に再起をかけて演奏した『Steeplechase』、楽しさの中に凄みを感じるものです。


1286 Paul Bley / Indian Summer

 ポール・ブレイはスティープル・チェイスにペデルセンとのデュオ作品で登場しました。合計17枚のアルバムをこのレーベルに残したポール・ブレイは、よほどスティープル・チェイスが気に入っていたのでしょう。ここではスティープル・チェイスからの10枚目のリーダー作品を取り上げます。1987年にトリオで録音したこのアルバムには、ビクター・ハーバートの代表作である『Indian Summer』が演奏されており、アルバム名にもなっています。

 「晩秋から初冬にかけての穏やかな天候、小春日和」、「落ちついた人生の晩年」との意味のインディアン・サマー、私にとってはストーンズの曲が思い浮かびますが、ポール・ブレイが演奏するビクター・ハーバートの『Indian Summer』も興味深いものです。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2025年5月13日掲載