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  • 1099 John McNeil Quintet / Embarkation
  • 1122 Chet Baker / The Touch of Your Lips
  • 1172 Jack Walrath Quintet / In Europe

 ジョン・マクニールにチェット・ベイカー、そしてジャック・ウォラス、スティープル・チェイスにリーダー作品を残したトランペッターです。


1099 John McNeil Quintet / Embarkation

 1948年生まれのジョン・マクニールがリーダー作品の発表の機会に恵まれたのは、30歳を迎えた1978年のことでした。それは、スティープル・チェイスへのこのアルバムで、豪華なメンバーとのレコーディングでした。ボブ・バーグ、ジョアン・ブラッキーン、ルーファス・リード、そしてビリー・ハートとの、クインテットでの演奏です。

 ジョン・マクニールのトランペットとボブ・バーグのサックスが流れるこのアルバムには、1960年代から1970年代のジャズの幾つもの香りが詰まっています。スティープル・チェイスに8枚のアルバムを残していくマクニールの、好調な第1弾です。


1122 Chet Baker / The Touch of Your Lips

 数多くのアルバムを残したチェット・ベイカー、欧州の有名どころのレーベルからも多くのアルバムを発表しており、スティープル・チェイスからも7枚のリーダー作品を発表しました。その最初のがこのアルバムで、1979年6月21日に録音されました。ギターのダグ・レイニー、ベースのペデルセンとの、トリオでの演奏です。

 アルバム名にもなっている「The Touch of Your Lips」という曲は、1936年にイギリスでビッグバンドを率いていたレイ・ノーブルが書いた曲です。この甘く美しい曲をチェット・ベイカーは、優しい歌声とトランペットで、素敵に演奏しています。この曲の代表的な演奏と言っても、過言ではないでしょう。


1172 Jack Walrath Quintet / In Europe

 ジャック・ウォラスは数多くのミュージシャンと演奏してきたトランペッターで、リーダー作品も多く残しています。スティープル・チェイスからの初リーダー作品がこれで、コペンハーゲンにあるモンマルトルで、1982年7月22日の録音です。トロンボーン入りの、クインテットでの演奏です。

 ジャック・ウォラスが書いた「At Home in Rome」という曲では、熱き恋が渦巻く様子をハードバップで粋に決める演奏となっています。彼は2000年代に入ってから再びスティープル・チェイスから作品を発表していきます。


【ついでにフォト】

2013年 ペナン マレーシア

2025年2月14日掲載