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風炎9-1
ECM-1997
Jacob Young
Sideways


JAZZDISCO.org から

ECM 1997 Jacob Young – Sideways 2007

Mathias Eick, trumpet; Vidar Johansen, bass clarinet, tenor sax; Jacob Young, guitar; Mats Eilertsen, double bass; Jon Christensen, drums.

Rainbow Studio, Oslo, Norway, May, 2006

Sideways
Time Rebel
Slow Bo-Bo
Near South End
Out Of Night
Hanna’s Lament
St. Ella
Maybe We Can
Wide Asleep
Gazing At Stars

 ギタリストのジェイコブ・ヤングであるが、ノルウェー系アメリカ人との記述もネット上で目にするが、一般的にはノルウェー人との認識であろう。

 彼のECMでの第1作は2002年12月に録音され、2004年に発売された。管楽器が2本入っての、クインテットでの演奏であった。その第1作と同じメンバーで、2006年5月に録音されたのがこの作品である。ジェイコブ・ヤングのECM第2作だ。

 全員ノルウェー人のこのメンバーの特徴は、ECMrecords.comによれば、「a group established to reflect the compatible styles and ideas of three generations of Norwegian jazz players(ノルウェーのジャズ・プレイヤー3世代のスタイルと思想を融合させることを目的に結成)」とのことである。

感想

 ジェイコブ・ヤングのECM第1作「Evening Falls」の持ち味そのままに、より深みある演奏になっている。ヤングのギター演奏をはじめとしてメンバー全員は、決して派手な演奏であったり、劇的な展開を意図していない。しかし、そこから滲み出るものは、人間の心の奥に響くものだ。ノルウェー人ならば、その背景を含めてこの作品をより味わえるのであろう。でも、北欧から遠く離れたアジア人でも、この作品に感じ入る。アジア人だからこそ感じる部分も、この作品にあるのかと思ってしまう。

 どこに住んでいる人の心の奥にも、深く届く作品となっていると思う。

2025年8月14日掲載