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ECM-1565/66 NS
Keith Jarrett, Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies Mozart: Piano Concertos; Masonic Funeral Music; Symphony in G


JAZZDISCO.org から

ECM 1565/66 NS Mozart – Piano Concertos / Masonic Funeral Music / Symphony In G Minor — Keith Jarrett, Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies 1996
Keith Jarrett, piano; Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies, conductor; Wolfgang Amadeus Mozart, composer.

Mozart-Saal/Liederhalle, Stuttgart, Germany, November, 1994, and January, 1995

Concerto For Piano And Orchestra No. 23 In A Major K. 488: Allegro
Concerto For Piano And Orchestra No. 23 In A Major K. 488: Adagio
Concerto For Piano And Orchestra No. 23 In A Major K. 488: Allegro Assai
Concerto For Piano And Orchestra No. 27 In B-Flat Major K. 595: Allegro
Concerto For Piano And Orchestra No. 27 In B-Flat Major K. 595: Larghetto
Concerto For Piano And Orchestra No. 27 In B-Flat Major K. 595: Allegro


same session.

Masonic Funeral Music K. 477
Concerto For Piano And Orchestra No. 21 In C Major K. 467: Allegro Maestoso
Concerto For Piano And Orchestra No. 21 In C Major K. 467: Andante
Concerto For Piano And Orchestra No. 21 In C Major K. 467: Allegro Vivace Assai
Symphony No. 40 In G Minor K. 550: Molto Allegro
Symphony No. 40 In G Minor K. 550: Andante
Symphony No. 40 In G Minor K. 550: Menuetto (Allegretto) – Trio
Symphony No. 40 In G Minor K. 550: Allegro Assai


感想

 モーツアルトのピアノ協奏曲と交響曲を取り上げた、キース・ジャレットの作品で、デニス・ラッセル・デイヴィスが指揮するシュトゥットガルト室内管弦楽団とのレコーディング作品だ。

 本「新版 ECMの真実」から、この作品に触れている箇所(p252)を引用する。

堀内
そして、最初のモーツァルトの協奏曲集では見事なまでに個性が消し去られ透明化しているんです。たしかに、音楽を思うがままに操縦してさかしらな解釈や自己表現を行うようなことは、まったくしていないけれど、音楽は静止している。

 私はここで取り上げられているモーツァルトのピアノ協奏曲3種(21, 23, 27)は聴いてこなかったが、20・24・25番はグールドやアルゲリッリの演奏に触れてきた。そして交響曲第40番は、ライナーのCSOやベームのBPO、そしてバーンスタインのNYPで聴いてきた。

 その中でモーツァルトの作品の肌触りは、どの奏者でもどの指揮者でも私には合わないと感じていた。

 ウィキペディアからの情報によれば、シュトゥットガルト室内管弦楽団は「それまでバロック音楽をロマン派風に演奏するのが一般的だったが、それとは一線を画す演奏スタイルは世界中に大きな影響を与えた」とのことだ。
 そして指揮者のデニス・ラッセル・デイヴィスについては、「現代音楽を得意とし、数々の世界初演を行っている」「ピアノの名手としても有名で、ベルクの室内協奏曲のCD録音なども行っている」とある。

 この作品における主導権はデニス・ラッセル・デイヴィスは持っていて、作品全体の色付けはシュトゥットガルト室内管弦楽団の特徴を強く散りばめたものに、私は感じた。言い換えれば、ピアノの演奏ははっきりと聴けるが、ジャレットの存在はあまり感じなかった。

 ジャレットが演奏に参加していない交響曲に再生が移っても違和感を感じないのは、こんなことなのだろう。
 
 モーツァルトが苦手な私だが、メロディ・メーカーとしての彼は流石と感じた。

2023年7月13日掲載