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- 1073 Stan Getz / Live at Montmartre vol. 1
- 1074 Stan Getz / Live at Montmartre vol. 2
- 1108 Tete Montoliu / Tootie’s Tempo
スティープル・チェイスといえばモンマルトル、スティープル・チェイスを支えた30枚という企画の第9回目です。
1073 Stan Getz / Live at Montmartre vol. 1
大学生のニルス・ウインターがスティープル・チェイスを始めるきっかけとなったのが、コペンハーゲンでのジャズ・クラブの録音でした。1977年1月のスタン・ゲッツの出演を捉えたアルバムが、2枚連続での発売となりました。
1曲目にはロジャース・グラントなるピアニストが作ったらしい「Morning Star」という曲が演奏されています。ゲッツのディスコグラフィーを眺めますと、このモンマルトルでの演奏の前年に、この曲をゲッツはレコーディングしていました。朝の光を迎えたことの微かな喜びをさりげなく表現したかの曲とゲッツの演奏、良いものです。
1074 Stan Getz / Live at Montmartre vol. 2
こちらは1977年のコペンハーゲンはモンマルトルでの演奏の、第2作目です。ピアノはジョアン・ブラッキーン、ベースはニールス・ペデルセン、そしてドラムスはビリー・ハートです。
ウェイン・ショーターが1964年にブルーノートへレコーディングした「Infant Eyes」を、ゲッツはこのモンマルトルで演奏しいますが、これも1年前のレコーディングでゲッツが取り上げていた曲です。子供へ優しい眼差しを向けるかのゲッツの静かな演奏、うっとりします。
1108 Tete Montoliu / Tootie’s Tempo
この30枚企画でテテ・モンとリューを取り上げすぎかもしれませんが、それだけ立ち上げ期のスティープル・チェイスで光っていた存在だったのです。ニールス・ペデルセンとアルバート・ヒースとのトリオで、1976年2月に二日間かけての録音です。この二日間からはこの前に『Tête à Tete』(1054)というアルバムが発売され、人気となっていました。その続編となるのが今回取り上げるアルバムですが、こちらの方が人気になったとの記憶が私にはあります。
コルトレーンの曲やスライド・ハンプトンの曲をモントリュー節で彼に軽快に聴けて満足なのですが、やはりモントリュー作のタイトル曲が印象に残ります。ペデルセンとヒースと一体になって、高速道路をかっ飛ばすかのモントリューの演奏には痺れます。
【ついでにフォト】
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2012年 ペナン マレーシア
2025年1月23日掲載