- 1227 Joe Bonner Quartet / The Lost Melody
- 1267 Mike Richmond / Dance for Andy
- 1282 Kevin Hays Quintet / SweetEar
この「あなたと夜と音楽と」について、「20世紀ジャズ名曲大事典」(SJ社、2001年)には次のようにあります。
元々はミュージカルの曲であるが、53年のフレッド・アステアが主演してヒットした映画「ザ・バンド・ワゴン」の主題歌としても使用されていた。
この曲となればハンプトン・ホーズにビル・エヴァンスと、ピアノ・トリオの演奏が頭に浮かんできます。2000年頃までに発売されたスティープル・チェイス500枚ほどの中で、この曲が演奏されているのは7作品あります。ここでは上記の3作品を取り上げます。
1227 Joe Bonner Quartet / The Lost Melody
ジョー・ボナーはスティープル・チェイスにリーダー作品を、6枚残しています。ソロにデュオ、トリオにカルテットと、幾つもの編成でアルバム作りを行なってきたピアニストです。「あなたと夜と音楽と」が収録されているのは1987年に発売されたアルバム『The Lost Melody』で、テナー・サックスのボブ・ロックウェルが参加しての、カルテットでの演奏です。
ロックウェルのサックスをフューチャーして演奏が始まり、軽快な「あなたと夜と音楽と」を楽しめます。後半にソロを取るボナーのピアノは徐々に盛り上げていっております。
1267 Mike Richmond / Dance for Andy
1970年代に数々の大物ミュージシャンと共演してきたベーシストのマイク・リッチモンドですが、スティープル・チェイスでもリーダー作品に参加作品にと、多くのアルバムで演奏してきました。このリッチモンドが1990年に発売したアルバム『Dance for Andy』に、「あなたと夜と音楽と」が収録されています。テナー・サックスのラリー・シュナイダーが参加しての、カルテットでの演奏です。
リズムの切れ味抜群の「あなたと夜と音楽と」です。マイク・リッチモンドとドラムスのキース・コープランドは、スティープル・チェイスで度々共演しており、その相性の良さはこの演奏からも伺えます。
1282 Kevin Hays Quintet / SweetEar
1990年代に入り、ブルーノートから作品を発表し、人気ピアニストとなったケヴィン・ヘイズは、スティープル・チェイスにもリーダー作品を3枚ほど残しています。その中の最初のリーダー作品である『SweetEar』に、「あなたと夜と音楽と」が収録されています。アルバムは、トランペットのエディ・ヘンダーソン、サックスのヴィンセント・ハーリングが参加しての、クインテットでの演奏です。
このアルバムの中盤で演奏されている「あなたと夜と音楽と」では、ジェームス・ジーナスのベースと、ジョー・チェンバースのドラムスとの、トリオでの演奏となっています。軽快さと深みが同居した、気持ちの良い演奏が楽しめます。
【ついでにフォト】
2006年 香港
2024年12月19日掲載