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  • 1014 Ken McIntyre / Hindsight
  • 1029 Tete Montoliu / Tete!
  • 1045 Anthony Braxton / In the Tradition Volume 2

 この「ボディ・アンド・ソウル」について、「20世紀ジャズ名曲大事典」(SJ社、2001年)には次のようにあります。

ジャズ・スタンダード中もっとも美しいと言われるバラード・ナンバー。実際この曲の取り上げられる頻度の高さを考えると、この表現もあながちおおげさとは思えない。ちなみにこの曲,昨年S」誌上でおこなわれた評論家投票による「21世紀に残したいジャズ・スタンダード」では、堂々2位に輝いた。作曲はのちに映画音楽家として成功するジョニー・グリーン。作詞はエドワード・ハイマン、ロバート・ツア、フランク・エイトンが共作し、ミュージカル「3人ひと群れ」の中で使われた(ミュージカル全体の音楽を担当したのはアーサー・シュワルツ)。その後イギリスでガートルード・ローレンスが歌い、大ヒットとなった。


1014 Ken McIntyre / Hindsight

 1960年にエリック・ドルフィーと共演したことで知られ始めたケン・マッキンタイヤーは、マルチ楽器奏者で、ドルフィーとの共演盤『Looking Ahead』ではアルト・サックスとフルートを演奏していました。その後マッキンタイヤーは教職とミューシャンとして活動していました。

 ケン・マッキンタイヤーは1970年代にスティープル・チェイスに5枚のリーダー作品を残し、サイドとして2作品に参加していました。最初のリーダー作品がこの『Hindsight』で、この中に「ボディ・アンド・ソウル」が収録されています。ピアノにケニー・ドリュー、ベースにはボブ・スティーフ、ドラムスにアレックス・リールが参加してのカルテットでの演奏で、1974年1月13日に録音されました。なおCD化の際には、「ボディ・アンド・ソウル」の別テイクも収録されました。

  この曲でマッキンタイヤーはバス・クラリネットを演奏していますが、陽気に賑やかなものとなています


1029 Tete Montoliu / Tete!

 テテ・モントリューのスティープル・チェイスでのリーダー作品として3枚目となる人気盤『Tete!』に、この「ボディ・アンド・ソウル」が収録されています。ニールス・ペデルセンとアルバート・ヒースと、1974年5月28日に録音しました。

 速いテンポで勢いの良い、切れ味の鋭い12分間が楽しめます。


1045 Anthony Braxton / In the Tradition Volume 2

 この企画「スティープル・チェイスからこの3枚」の6回目にして二度目の登場となる、アンソニー・ブラクストンのアルバムです。テテ・モントリュー、ニールス・ペデルセン、アルバート・ヒースと1974年5月29日に、このアルバムとその第1集となる作品が録音されました。つまり、上記の『Tete!』収録の翌日にも3人がスタジオに集まり、そこにアンソニー・ブラクストンを迎えて録音したことになります。リズム陣にとっては二日続けての「ボディ・アンド・ソウル」です。

 この曲としては速いテンポでの演奏ですが、モントリュー・トリオとしての前日の録音よりは落としたテンポだと感じました。その演奏ですが、ジャズの醍醐味の一つは奏者の組み合わせの妙であり、そんなことがこのブラクストンとモントリュー・トリオの演奏にあります。


【ついでにフォト】

2006年 香港

2024年12月16日掲載