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  • 1033 Clifford Jordan and the Magic Triangle / Firm Roots
  • 1034 Kenny Drew / If You Could See Me Now
  • 1041 Niels-Henning Ørsted Pedersen / Jaywalkin

 大学生であったニルス・ウインターが作ったスティープル・チェイスという独立系レーベル、その立ち上げを支えた30枚との企画の6回目は、この3枚を取り上げます。


1033 Clifford Jordan and the Magic Triangle / Firm Roots

 1950年代にはブルーノートやリヴァーサイドからリーダー作を発表していたテナー・サックスのクリフォード・ジョーダン、1960年代はミンガスのバンドで活動しながらも目立った存在とも言えませんでした。1970年代は、前半にはスティープル・チェイスから、後半にはミューズからリーダー作を発表し、激動の時代を地道ながらもしっかりとした活動を行っていました。そのジョーダンのスティープル・チェイスでの最初の作品が、このアルバムです。この時に活動を共にしていたピアノのシダー・ウォルトン、そしてサム・ジョーンズにビリー・ヒギンズといった実力者との演奏です。

 のびのび豪快なクリフォード・ジョーダン、素敵にジャズを楽しんでいる演奏ですし、聴く方もジャズの楽しみに浸れる作品です。


1034 Kenny Drew / If You Could See Me Now

 これは、スティープル・チェイスでのケニー・ドリュー単独リーダー作品としては、3作目になります。ただし名盤『Dark Beauty』との同一セッション、1974年5月21・22日のセッションからの作品となります。

 デイブ・ブルーベック作の「In Your Own Sweet Way」には数々の名演があり、ピアノではビル・エバンスのものが有名なところですが、このドリューの演奏もこの曲の名演に入れたおかしくないものです。他にも素敵な演奏が並び、ピアノ・トリオの魅力が詰まったアルバムです。


1041 Niels-Henning Ørsted Pedersen / Jaywalkin

 これまでに3人のピアニストと5枚のデュオ作品を発表してきたベースのニールス・ペデルセンですが、このアルバムは彼の単独名義でのスティープル・チェイス初リーダー作品となります。ギターに電気ピアノ、そしてドラムスが加わっての演奏です。

 売れたアルバムとは言い難いし、電気ピアノの存在が気になるしということで、この「30枚企画」にこれを入れるのは迷いましたが、スティープル・チェイスの立役者であるペデルセンの単独名義初リーダー作品というのは存在意義が高いものと考えています。そう思って聴くと、爽やかさ漂う良い作品とも思えてきます。


【ついでにフォト】

2013年 ペナン マレーシア

2025年1月10日掲載