1971年11月7日(日)の新聞から

トップ記事

日経「秩序ある輸出を制度化、急増に監視の目、説得 誘導など順次に、通産省検討、対象まず30品目」
 輸出先国から反発を招きかねない事態を回避しようとのものです。


読売「アムチトカ核実験 けさ7時、米最高裁で土壇場の聴問会、決行か延期か 裁断待ち、反対派 危険隠すと政府非難」

朝日「緊迫の最高裁、米の地下核実験、異例 全判事で審理、傍聴者 廷外にあふれる」

 ウィキペディアによればアムチトカ島は、アリューシャン列島のラット諸島に属する島で、アレウト族の居住地でした。18世紀末にはアザラシの毛皮を求めるロシア商人が常駐したりしてましたが、1867年にアメリカがアラスカをロシア帝国から購入したことにより、アムチトカ島はアメリカ領となりました。

 1967年、アメリカ原子力委員会はアムチトカ島を、核兵器用地下核実験場に選びました。委員会は島の多くの動物を島外に移動させ、3回の核実験を行いました。

 その3度目の核実験に対する記事が、読売と朝日のこの日のトップ記事であり、日経も一面で取り上げています。何しろその前の2度の実験とは比較できない規模の、3度目でした。

 結局、核実験は断行されました。その後のアムチトカ島は科学者による監視が続けられ、2025年まではアメリカ合衆国エネルギー省により監視が続けられる予定とのことです。


この日の日経新聞から

気になった記事
 6面の「私のコラム」に石油化学工業会の岩永氏が、「プラスチック廃棄物の処理」という題で寄稿しています。「プラスチック廃棄物をどのように処理するか、これは石油化学工業が、成長を続けていくためにどうしても取り組まなければならない課題である」としており、興味深い文章です。

 この記事から50年近く経った今年の国際会議で、「プラごみ削減の取り組みを報告・共有する枠組み(G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組)の創設」が合意されました。国家が自然や生命に関することに関心を寄せるのは、いつも切羽詰まってからなのです。


目にとまった広告
 4面に新明和工業の全面広告があります。下三分の一にはイラストを用いた、ダンプやパーキングタワーの広告です。上三分の二は、記事風広告です。大学教授の文を使って、記事仕立てにした広告です。「PRのページ」とも書かれているので、作成には注意を払っています。この時期が記事風広告の走りの時期なのでしょう。

この新明和工業は今でも、特殊車両やパーキングタワーを含めて幾つもの分野で活躍している会社です。そのルーツは、1920年に川西機械製作所に飛行機部が設立された時になるとのことです。


TV欄を見ると
 NHK 20:45からの「日曜特集」のテーマは、「車にやられた」です。「交通事故被害者の報告」との副題があり、また別掲の内容紹介には「病院への支払いの補償問題」などを取り上げているとのことです。