1960年6月23日(木)の新聞から

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日経「きょうにも所信表明、首相、後継候補決定急ぐ、政局転換へ急ピッチ」

読売「岸首相、きょう引退表明、午前中に批准書交換、直後閣僚 党首脳集め、首班決まれば総辞職」

 この年は安保で大揺れ。特にこの6月はアイゼンハワー大統領の訪日が予定されており、その準備のためにハガチー報道官が10日に来日したが、羽田空港を出る際に車がデモ隊に包囲され、米軍ヘリコプターで救出される事態に。
 岸首相は「私には声なき声が聞こえる」との発言をしたが、東久邇・片山・石橋の3人の元首相が岸に退陣勧告をし、事態は深刻化。アイゼンハワー大統領の来日は中止に。
 15日にはデモ隊学生の樺美智子さんが圧死。
 18日に条約が自然成立、21批准し天皇が公布。
 そしてこの23日に批准書の交換、そして岸首相が混乱の責任で辞意の表明したのです。

 そして後継指名ですが、これもすんなりとはいかず、7月14日に池田勇人が指名されました。その直後に岸首相は暴漢に刺され重傷に。犯人は、岸首相が後継を匂わせていた大野伴睦の取り巻きでした。翌15日に岸内閣は総辞職しました。

 朝日「米上院、新安保を承認、賛成90・反対2・欠席8人、批准書交換を急ぐ」


この日の日経新聞から

気になった記事
 3面に「減価償却を強制に、企業会計審の中間報告」とあります。この時点では減価償却について、商法では考え方が確立されてなく、税法上では会社の自由となっていました。この後いつ全面採用になったかについては、ネットで情報が得られませんでした。この減価償却は、定率法から定額法、はたまたIFRS導入に伴う動きなど、常に揺れております。


目にとまった広告
 同じく3面の広告スペースに、日本国有鉄道資材部の国鉄用品競争入札公告があります。内容は、製作請負で車両用保全板と配電盤、購入で信号旗となっています。


TV欄を見ると
 「阪神対巨人」が、NHKと日本テレビで放送されています。今では、地上波と衛星での放送は、時に見かけますね。