1954年5月19日(水)の新聞から

トップ記事

日経「米・世銀から一億ドル、産業開発資金の借款実現へ、首相 外遊前に折衝開始」
 経済成長に弾みをつけるためにとの、吉田内閣の動きです。

読売「教育関係二法案、再議決へ急がず、政府与党 改進党追い込みの作戦、党分裂の危機 改進党、きょう国対位」
 1952年の結党からいろいろと動きがあった改進党は、この年の11月には日本民主党となりました。

朝日「本舞台は参議院へ、会期再延長待ちの国会、教育二法案を持ち越しか」
 教育二法案とはウィキペディアによれば、「教育公務員特例法の一部を改正する法律」および「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法」のことで、政治色を帯びるデモ行進や集会に公立学校の教育関係職員が参加する事、また生徒学生に参加を呼びかける事を規制し、これに抵触した場合は懲戒処分する旨定めた規定です。


この日の日経新聞から

気になった記事
 3面に「電球規格の改正断行 七月実施、弱小メーカー窮地へ」との見出しがあります。電球輸出と国内の一般普及が目的とのことです。これにより低品質の電球を作っていた中小メーカーは打撃を受けるだろうとの記事です。


目にとまった広告
 9面に「アベのアドレス印刷機」との広告がありますが、会社名は書いてありません。「宛名は手で書く時代に非ず!」として、1時間に2000枚の宛名をする機械を宣伝しています。この会社について調べましたが、はっきりした事は分かりませんでした。得た情報は2点あり、一つは有限会社アベアドレスという会社があり、2015年7月に東京地裁より破産手続開始の決定を受けたとのことです。ただしこの広告の1954年に活動していたかは不明であります。破産情報にあった住所は東京都文京区向丘でした。もう一つの情報は、戦前の建物を掲載しているブログからで、趣ある建物に「宛名印刷機 アベアドレス」との看板があります。撮影は1985年2月なのですが、場所は千代田区神田淡路町でした。


TV欄を見ると
 NHKと日テレの2局で、12:15から21:00までの放送です。そして両局ともニュース番組がありませんでした。1953年に始まった日本のテレビ本放送ですが、ニュース番組の歴史を調べて見ますと、1953年2月1日の開局日に「NHKテレビジョンニュース映画」という番組がありますが、週間番組で外部に制作委託したものでした。ただし当初からデイリーニュースもあったとのことですが、これはラジオ原稿を読み上げるだけのもので、映像はありませんでした。これが番組表になかったことが何故かは分かりません。本格的なニュース番組は1960年になってからのことでした。