19660711-01

Afro Blue
(Mongo Santamaria)
(38分44秒)



【この曲、この演奏】
 1963年10月のバードランド、そして1965年9月のシアトルでのライブ盤でお馴染みのこの曲を、日本公演二日目の最初に演奏しました。1963年のライブ盤は1964年に発売されていましたので、この大手町のサンケイホールにつめけた観客は耳にしていたことでしょう。しかしながらシアトルのライブ盤自体は1971年の発売であり、この「アフロ・ブルー」は1994年の追加曲のため、観客はシアトルのこの曲の演奏のみならず、シアトルでのライブの内容、一年近く前のコルトレーン・バンドのライブの雰囲気を知らなかったのです。

 この曲の演奏ではコルトレーンはソプラノ・サックスで演奏しています。まずはコルトレーンのテーマから入りますが、神秘の演奏の3分間です。続いてはファラオがテナーで10分強のアドリブ隣、それは心の底からの叫びであり、またリズム陣の天から送られる信号のような演奏も印象に残ります。そしてアリスによる8分強のピアノでのアドリブとなり、左手からは風に乗った砂の流れが響いており、右手からは徐々に自然の怖さを感じる演奏となります。

 そしてコルトレーンのアドリブとなります。ここまでのバンドの演奏についてこれた観客は、このコルトレーンの演奏に圧倒されたことでしょう。凛としたコルトレーンの姿が頭に浮かぶ演奏です。ときに顔を出すテーマらしきもの、またファラオのタンバリンなどもあります。このアドリブも10分あたりから、天に訴えるかのコルトレーンになっていき、おぼろげにテーマが顔を出してきます。13分頃からはっきりした形で後テーマとなり、これで演奏が終わりかと思いきや、さらに4分も演奏も続いていきます。17分の吹きまくりコルトレーンに圧倒されながら、演奏が終わりとなります。




【エピソード、日本での行動、公演、1966年7月】
8日(金)到着後、東京プリンスホテルにチェックイン

9日(土)午後1時からマグノリア・ルーム(東京プリンスホテル)
     Wellcom (3:40)を演奏
     記者会見
インタヴュー 3大学(早稲田、慶応、立教)モダンジャズ連盟所属学生
     45分ほどの演奏(詳細不明)
     午後4時から部屋で辻本和明氏によるインタヴュー

10日(日)公演初日 午後6時30分 サンケイホール
      演奏曲は不明

11日(月)公演二日目 午後6時30分 サンケイホール、大手町
Afro Blue
Peace on Earth
Crescent
Leo

12日(火)公演三日目  午後6時30分 フェスティバルホール、大阪市
      演奏曲は不明

13日(水)公演四日目  午後6時30分 広島公会堂、広島市
      演奏曲は不明

14日(木)公演五日目  午後6時30分 長崎市公会堂、長崎市
      演奏曲は不明

15日(金)公演六日目  午後6時30分 福岡市民会館、福岡市
      演奏曲は不明

16日(土)公演七日目  午後6時30分 京都会館第二ホール、京都市
      (日付は翌日)午前0時30分 松竹座、大阪市
      演奏曲は不明

17日(日)公演八日目  午後6時30分 神戸国際会館、神戸市
      Naima
My Favorite Things
Leo
18日(月)公演九日目  午後6時30分 東京厚生年金会館、新宿区
      演奏曲は不明
19日(火)公演十日目  午後6時30分 東京厚生年金会館、新宿区
      演奏曲は不明
20日(水)公演十一日目 午後6時30分 フェスティバルホール、大阪市
      演奏曲は不明
21日(木)公演十二日目 午後6時30分 静岡市公会堂、静岡市
      演奏曲は不明
22日(金)公演十三日目 午後6時30分 東京厚生年金会館、新宿区
Peace on Earth
My Favorite Things
Meditation/Leo
             午後11時30分 ビデオホール、有楽町
             日本人とのジャムセッション、詳細不明

23日(土)公演十四日目 午後6時30分 愛知文化講堂、名古屋市
      演奏曲は不明

24日(日)米国へ出発

(資料07、資料17より)

初収録アルバム

【ついでにフォト】

2005年 香港

(2021年9月19日掲載)