My Favorite Things
(R.Rodgers – O.Hammerstein)
(10分7秒)
【この曲、この演奏】
1965年9月30日のシアトルでも、この曲が演奏されていました。
さて収録状態ですが、マッコイのピアノ・ソロの途中で終わっています。エアチェックでの私家録音とはいえ、かなり音質が悪い中で、サックスは聴き取りにくい音量となっています。
演奏はコルトレーンがソプラノでいつもの入り方ですが、テンポは速くなっています。4分半からはマッコイのソロとなり、5分半にあたりで収録はフェイドアウトしていきます。
コルトレーンのライブ定番のこの曲での、新たなバンドに取り組み始めた内容に強く関心があり残念ですが、発売されたという点を評価すべきなのでしょう。
【エピソード、ノルウェーのジャーナリスト、ランディ・ハルティンの著書から その7】
コンサート会場のニョルドハーレンは満席だった。熱気を肌で感じた。ところが、ステージに上がったカルテットは、エルヴィンのドラムが到着していないことに気づく。やがてドラムが運び込まれてくると、エルヴィンが荷を解いて、観衆の目の前でドラムのセッティングを始めた、コルトレーンに見守られながら。グランド・ピアノにゆったり寄りかかりつつ、コルトレーンはエルヴィンのセッティングを辛抱強く待っていた。一言も発することなく。
音響がおかしかった。最初のうち、私がホールの片隅に座っていたせいか、ドラムが全ての音を飲み込んでしまっていた。どこで休憩後は、バンドの肝である彼のドラミングに集中しようと、エルヴィンの真正面に移動した。幕間中、私は下に降りてメンバーの写真を個別に撮った。どれも(幸運にも)うまく撮れた。この時の写真はすべて、後年、「コルトレーンの生涯 – モダンジャズ・伝説の巨人」の一ページ上で日の目を見ることになる。楽屋を出ようとした私に、コルトレーンは、ご招待はまだ有効かな、と訊いてきた。結局マッコイは独りで過ごすことにし、ジミーとエルヴィンは夜の街へ繰り出して行ったが、コルトレーンは私についてきた。
ランディ・ハルティン著「Born Under The Sign Of Jazz(ジャズの星の下に生まれて)」(London: Sanctuary, 1998, 2000)’ 157-162ページより (資料04)
【ついでにフォト】
2012年 ペナン、マレーシア
(2023年3月17日掲載)