Untitled Original
(ca. John Coltrane)
(29分32秒)
【この曲、この演奏】
このシアトルでの9月30日に最初に演奏されたものは、題名がありません。
この演奏は、新体制のコルトレーン・バンドの方向性が、明確ではないが力強く示されている演奏と言えます。30分近くの演奏は、前後半に分けられます。
前半はホーン陣が主役を務めるもので、読経のような演奏が16分近く行われています。コルトレーンとファラオの他にもホーンが加わっており、いくつものソロが展開されています。その中で演奏開始から8分半ほどからのコルトレーンの5分ほどのソロには、いろんな彼の感情を聴き取れるものです。
後半はリズム陣が主役のもので、まずはマッコイの9分を超えるソロがあります。ホーン陣による前半とは流れが違いますが、力強い演奏となっています。
続いてはベース・ソロとなります。ギャリソンがピッチカートで演奏し、1分半が過ぎたところでドナルド・ギャレットがアルコで加わっていきます。この二人での演奏が続いていきますが、アナウンスが入り録音は終わっていきます。
資料07によれば、この後に12分の「bass duet」が記録されています。そこを考えると、このベース2本の演奏は次の曲となっているのでしょう。
【エピソード、この日の録音】
ファラオ・サンダースが加わったコルトレーン・バンドがシアトルのペントハウスに出演した中で、9月30日の演奏がラジオ放送さた。その録音が2度に分けて公式発売されてきた。
1971年 (Live in Seattle)
Cosmos
Evolution
Tapestry in Sound
Out of This World
1994年 (Live in Seattle [+2])
Body And Soul
Afro Blue
そして2011年になって、ラジオ放送をエアチェックした私家録音がCD発売された。
Untitled Original
Afro Blue
Lush Life
My Favorite Things
【ついでにフォト】
2009年 ペナン、マレーシア
(2023年3月15日掲載)