Amen
(John Coltrane)
(8分11秒)
【この曲、この演奏】
宗派によりエイメン、アーメンと発音されるこの言葉を曲名にしていますが、資料07によればこの曲名での演奏記録は本セッションだけです。
最初のテイクの後の演奏が、アルバム「サン・シップ」に収録されました。
ひたすら突っ込んでいく演奏、これでもかの速さでの演奏、そこをたっぷりと感じます。コルトレーンのテナーを主にしてのテーマで始まり、すぐにピアノ・ソロに入ります。これは3分続きますが。トリオでの演奏、特にドラムスとベースの一騎打ちを堪能するものと言えます。そしてコルトレーンが登場し、凄み、迫真、この手の形容詞を全て付けたくなる世界を展開しています。
この演奏、そしてこのセッションを振り返ってみれば、マッコイがこのバンドを去っていく気配は随所に感じられました。彼の存在が薄く感じました。一方でエルヴィン・ジョーンズですが、まだまだコルトレーンと突き進み、新たな扉を開けていくことを十分に期待させる演奏でした。それだけに、このセッションからの僅かな期間の展開が、私には悲しいものでした。
【エピソード、資料03にあるこの演奏についての文章】
この時期にコルトレーンがレコーディングした曲のいくつかには、彼の単純化志向が表れている。たとえばソルジャー・フィールドでのステージから二週間後に吹き込んだ、アルバム「サン・シップ」所収の「エイメン」では、Ⅰ- II – Ⅴ というコード進行しか使われていない。これは「至上の愛」のパート1「承認」で用いられた基本パターンと同じである。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2021年8月13日掲載)