Welcome
(John Coltrane)
(5分28秒)
【この曲、この演奏】
資料07によれば、このコルトレーンのバラッド曲の演奏記録は、3回あります。最初のものは、アルバム「トランジション」用の最初のセッション、5月26日に2回演奏されましたが、未だに未発表のままです。2回目が本セッションでありますが、アルバム「トランジション」には収録されずに、アルバム「クル・セ・ママ」に収録され、コルトレーン生前の1967年1月に発売されました。3回目の演奏記録は1966年7月2日のもので、ニューポート・ジャズ祭で演奏され、後年に世に出ました。日本でもレセプションで演奏されたようですが、それは別勘定とすべきでしょう。
字引によれば「Welcome」の語源は「うれしい(will)訪問客(comer)」とのことです。そしてこの語源を考えながら演奏を聴いてみると、ありがとうの気持ちで物事に接する、そんな意味合いもあるのかなと思いました。巡り逢いを大切に、そんなコルトレーンのおもい、この演奏の全てを覆っているテナー・サックスの響きから感じました。リズム陣はリズムをとらずに、コルトレーンの姿に寄り添っていく演奏です。おおらかな気持ちになるバラッド、人間はこうありたいと思わせる内容です。
【エピソード、本セッション】
この日のセッションは、一応はアルバム「トランジション」用のセッションと言える。アルバムの目玉曲と言える、「トランジション」と「組曲」が、この日に収録された。他の3曲についても、世に出ている。
1回目のセッションではロイ・ヘインズがエルヴィンの代役として演奏していたが、本セッションではエルヴィンが戻ってきている。
【ついでにフォト】
2013年 みなとみらい
(2021年7月12日掲載)