19650326-02

Afro Blue
(Mongo Santamaria)
(12分40秒)



【この曲、この演奏】
 この曲の1963年10月8日のバードランドでの快演もコルトレーン・ファンにとってはお馴染みですし、1965年9月30日のシアトルでの演奏もお馴染みのものです。そして3月26日のハーフノートでもこの曲が演奏されました。

 さて収録されている演奏ですが、コルトレーンのソロの途中でAlan Grantのアナウンスが入り、演奏はフェイドアウトで終わっていきます。ラジオ放送用に編集済のテープを、コルトレーンはラジオ局から受け取っていたのでしょう。

 まずはテナーサックスでコルトレーンがテーマに入り、マッコイと共に好調に1分弱演奏した後に、マッコイの6分を超えるソロとなります。やはりエアチェックの私家録音とは違う録音の良さの中で、この時期のトリオの熱気を味わえる演奏です。続いてソプラノに持ち替えたコルトレーンが、いつまでも続くような快調な演奏となっており、リズム陣と共に迫力のカルテットの世界を堪能できます。こんなソロも4分半のところで、アナウンスか被り、残念な形で収録は終わっていきます。




【エピソード、ノルウェーのジャーナリスト、ランディ・ハルティンの著書から その4】
 ポピュラー・ミュージックは好きですか、と訊くと、いくつかいいものはある、とコルトレーンは答えた。「ただ、偉大なメロディは書き尽くされてしまった感がある。リチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートが書くような曲は見当たらない、ああいった偉大な曲は。今どきのレコードはどれも頭にくるほど俗っぽいリズムとギター・アンプのせいで、とても聴けたもんじゃない。いいメロディは一度聴いたら、必ず耳に残るものだ。ただ、きっとまたそういう時代が来る。アメリカでは、ラジオやテレビでポピュラー・ミュージックがしょっちゅう流れている。二、三歳の子供ですらツイストが踊れるくらいだ。ポピュラー・ミュージックの勢いはしばらく続くだろうが、どれだけ長続きするかは、個人の手に委ねられているんだ。ひょっとすると、ジャズへの興味が高まるかもしれない。そういうことがまったくないとは言い切れないからね」

 ランディ・ハルティン著「Born Under The Sign Of Jazz(ジャズの星の下に生まれて)」(London: Sanctuary, 1998, 2000)’ 157-162ページより (資料04)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2004年 香港

(2023年3月12日掲載)