My Favorite Things
(R.Rodgers – O.Hammerstein)
(18分47秒)
【この曲、この演奏】
1963年の欧州ツアーでコルトレーンは、この曲を最後には演奏しておりませんでした。それはこの11月4日のシュトゥッガルトでも同様でした。
いつもよりも一層の深みを感じるテーマ演奏は3分ほど続き、ソプラノ・サックスでコルトレーンが創り上げてきた世界を堪能できます。
そしてマッコイの8分ほどのソロとなります。精神と肉体を内に内に切り込んでいくかの演奏は、素晴らしいものです。
その後には再びコルトレーンが登場し、ソプラノ・サックスで最後まで7分を超える演奏を繰り広げます。神秘的な深淵という、分かったようで分からない言葉を使いたくなるような、圧巻の演奏です。
コルトレーンがライブで何度も演奏しているこの曲の、一つの代表的なものとも言えるのでしょう。一方では、ライブならではの思いもよらない展開がなく、その意味で若干の物足りなさを感じるとも言える演奏かもしれません。
【エピソード、この日の演奏について】
This is a powerful (and well-recorded) concert
これは資料07にあるこの日の演奏に対するコメントだ。この資料07で個別演奏に対する評価を行っていることは少ないので、コルトレーン研究家として先端を走っている方々の共通した意見なのであろう。さらに資料07では次のように続けている。
and “Impressions” and “Mr. P.C.” are among the most extraordinary of all Coltrane Recordings. This important concert deserves to be released in its entirety through official channels. ( “Impressions” と “Mr. P.C.” は、コルトレーンの全ての演奏記録の中で、すば抜けたものの1つである。この大切なコンサートは、公式ルートから発売される価値のあるものだ)
未だに発売されていない2曲についてへのコメントがあるので、編者は私家録音を聴いたのであろう。最上級の賛辞を得ている演奏を、是非とも聴きたいものだ。
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年12月18日掲載)