Mr. P.C.
(John Coltrane)
(26分11秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンの欧州ツアーでは最後に演奏されているこの曲が、この日のパリでも演奏されました。
コルトレーンがテナー・サックスでテンポ良くテーマを演奏し、すぐにマッコイの6分近いピアノ・ソロとなります。低音を効果的に使っていることで高音が輝き、ブルージーで熱い演奏となり、エルヴィンのシンバルの響きも光っています。
続くのはギャリソンの7分近い、お見事な独奏です。アルコでの演奏ですが、その熱演から途中で4回拍手が起きました。6分過ぎからピッチカート演奏に変え、やがてテナーとドラムスの掛け合いを経て、ドラムスの独奏となります。
エルヴィンの圧巻の5分弱の後にコルトレーンが登場し、最後まで7分半ほど吹きまくります。マッコイの、ギャリソンの、そしてエルヴィンの熱演を受けてのコルトレーンですので、怒涛の演奏となったことは言うまでもありません。
【エピソード、この日の音源】
この日の演奏曲目は、マイケル・デローム氏が残された音源やこのコンサートに関する記事などから、導き出したものである。全7曲の中で、我々が聴けるのが2曲(My favorite ThingsとMr. P.C.)、私家録音が確認できるのが2曲(ImpressionsとEverytime We Say Goodbye)、他の3曲(Afro Blue、The Promise、そしてI Want To Talk About You)は音源が確認されていない。
さて2曲(My favorite ThingsとMr. P.C.)の発売であるが、おそらく1980年代に「Mr. P.C.」がパブロからLPレコードで発売された。
残る「My favorite Things」は2001年にパブロからCD7枚組「John Coltrane / Live Trane – The European Tours」に収録され、発売された。しかしながら演奏年月日と場所は、1962年11月17日パリとクレジットされていた。この誤りについては、このCD7枚組が発売されてから、識者の間で議論され、1963年11月1日であるとされている。
(以上は資料07から)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年11月26日掲載)