My Favorite Things
(R.Rodgers – O.Hammerstein)
(23分46秒)
【この曲、この演奏】
この曲が、11月1日のパリ公演では中盤に演奏されたとのことです。
いつものピアノとエルヴィンのズドンから演奏が始まりますが、ここでサル・プレイエルの会場からは大きな拍手が起きています。すぐにコルトレーンがソプラノ・サックスでテーマを演奏し、そしてすぐに深い瞑想のアドリブ・パートへと入り、この日も興味深いこの曲の前半の部のコルトレーンとなっています。
演奏開始から7分が過ぎたところでマッコイのソロとなります。重厚感あるピアノ・トリオでの演奏が7分半ほど続きますが、飽きることなく聴ける演奏です。
そしてコルトレーンがソプラノで二度目の登場となり、最後まで9分を超える演奏を行なっています。それはマッコイが創った重厚な流れを引き継ぐものです。二度目のコルトレーンの演奏は5分を過ぎたあたりでテーマとなり、演奏の流れを前半の部の瞑想へと戻しています。そして8分手間でまたテーマとなり、クロージングへ向かいます。
この演奏までにこの日は4曲を演奏していますが、その録音は(今のところ)残っていません。この「マイ・フェイヴァリット・シングス」の演奏の前の雰囲気を、是非とも聴きたいところです。
【エピソード、パリ公演の会場 サル・プレイエル】
コルトレーンの欧州ツアーでパリ公演は外せないものであり、1961年と1962年に行われた会場はオリンピアであった。この1963年はサル・プレイエルである。ウィキペディアから引用して、この会場について説明する。
パリ管弦楽団とフランス放送フィルハーモニー管弦楽団のフランチャイズホールでもあったこの会場は、現在は1913席である。初代ホールは1839年に完成し、現在の建物は1927年に完成した3代目である。当初は3000席収容であったが、2002年から4年間かけての大改修で、現在の座席数となった。
また2015年1月にフィラルモニ・ド・パリが開業し、このサル・プレイエルではクラシック音楽のコンサートが行われなくなった。
コルトレーンが1963年にコンサートを行った時期にこのサル・プレイエルは、フランスのクラシック音楽の中心と言える場所であり、3000席収容の会場であったのだ。
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年11月25日掲載)