My Favorite Things
(R.Rodgers – O.Hammerstein)
(17分27秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンがライブで最後に演奏する定番曲であり、この1963年のコペンハーゲンの夜で、この曲が最後に演奏されても不思議はないでしょう。ブートレグCDのマグネティック盤でも、そして一応資料07でも、最後の演奏曲としてクレジットされています。
①1963年欧州ツアーでは「Mr. P.C,」が最後に演奏されることが多かった。
②10月22日と共にこの25日も、曲順番は不明確情報である。(資料07)
このことから、この25日の夜に「My Favorite Things」が最後に演奏されたかは定かでは無いと言えるのでしょう。
さて演奏ですが、コルトレーンがソプラノ・サックスでテーマをアドリブを交えながら3分半強演奏し、マッコイが7分のソロを展開し、再びコルトレーンが登場してソプラノで7分弱演奏していきます。コルトレーンもマッコイも無難な演奏で刺激を感じる場面が僅かであり、私は焦ったさを感じる場面があり、これは奏者も同じだったのではと思います。
エルヴィンの演奏には何かの苛立ちを感じました。特にコルトレーン再登場の場面で、エルヴィンは思いっきりコルトレーンを煽りますが、流れは変わりませんでした。
【エピソード、1963年のミシェル・デロームのインタヴュー記事 その9】
デローム
「チェイシン・ザ・トレーン」のような曲はベースとドラムスだけで、ピアノを外していますね。今度もこうした演奏をしていくつもりですか? それともこれはあくまで例外的?
コルトレーン
例外的だね。毎回はやらない。
デローム
しかし、新境地ではありますね?
コルトレーン
ピアノを入れないことが?
デローム
ええ、そうです。
コルトレーン
もちろんだよ。ただ、ピアノを入れても同じことはできる。そう、ピアノありでも同じことはできるんだ。要はとらえ方の問題だな。
デローム
ピアノなしだと、自由度が増しますか? あるいはその逆?
コルトレーン
そういう時もある。まちまちだな。自由に感じたり、感じなかったり。ピアノが欲しい場合もあるし、ピアノがプレイの邪魔だと感じることもある。
「ジャズ・オット」誌、一九六三年一二月号(資料04より)
【ついでにフォト】
2015年 みなとみらい、横浜
(2022年11月24日掲載)