My Favorite Things
(R.Rodgers – O.Hammerstein)
(13分47秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーンがライブで最後に演奏してきた曲ですが、この1963年欧州ツアー初日のストックホルムでは、この曲の後に「Mr. P.C.」が最後の曲として演奏されています。
この10月22日の演奏順番に関しては、不明な点があります。しかしながら資料07によれば、「My Favorite Things」の後に「Mr. P.C.」が演奏されたことは、録音の解析から明らかであるとのことです。
マッコイのピアノが印象的なこの曲のテーマを奏でる前に、コルトレーンのサックスが数秒吹かれています。録音レベルが小さいのですが、資料07によればこれがテナー・サックスとのことです。
コルトレーンがソプラノ・サックスで登場し、3分弱の演奏を行った後にマッコイのソロとなります。趣向を凝らした内容でマッコイは、5分今日の演奏を行っています。続けてコルトレーンのソロが、ソプラノで気合の入った演奏で始まります。エンデイングまで5分半ほどの演奏です。
演奏時間は14分弱と十分長いものですが、この曲となると短く感じるものです。1963年欧州ツアー初日に向けて、コルトレーンはある考えを持ってこの曲の演奏に臨んだのでしょう。確かに中身はいろんなことが詰まったものですが、まだまだ地に足がついた演奏とは言えないものかなと、私は感じました。
【エピソード、1963年のミシェル・デロームのインタヴュー記事 その4】
デローム
レコードを作るときは、オリジナル曲をやりたいと。
コルトレーン
ああ、人とは違うものをやりたいね。後退はしたくない。いや、最近、例外はあったか。以前の焼き直しもいくつかやった。ただ、今後はもう二度とやらない。
「ジャズ・オット」誌、一九六三年一二月号(資料04より)
【ついでにフォト】
2014年 みなとみらい、横浜
(2022年11月17日掲載)