Up ‘Gainst the Wall
(John Coltrane)
(5分25秒)
【この曲、この演奏】
アルバム「バラッズ」用の1962年9月18日のセッションで収録された、ミディアム・テンポのコルトレーン作のブルースナンバーです。当たり前のようにアルバム「バラッズ」には収録されずに、1963年7月に発売されたアルバム「インプレッションズ」に収録されました。ライブでの演奏記録はブートレグ発売が二つあり、この1963年6月10日のショウボートと、7月上旬のカナダのモントリオールでの演奏です。(資料07)
その演奏ですが、資料07に「Most of bass solo cut (includes beginning 0:08 of b-solo, the splice)」とあります。ただし私がブートレグCDで聴いた限りでは、コルトレーンがテナーサックスで吹き続けた5分半で、資料07の指摘には気付きませんでした。
その演奏ですが、陽気にテーマをコルトレーンが吹いて始まり、30秒過ぎてからアドリブを交え出していきます。会場が湧く様子も伺えますので、何らんかのアクションで盛り上げていたのかもしれません。そして3分が過ぎてからのコルトレーンとヘインズのぶつかり合いは、聴きものとなっています。
【エピソード、音源の発売】
Rare Live Recordings RLR 88657 (John Coltrane Trio & Quartet / More Live at the Showboat 1963)
このブートレグCDが、2010年に発売された。1990年代に入ってから私家録音の存在が知られるようになったこのセッションだが、発売されるまでに随分と時間がかかった。
さてこのCDの裏ジャケには「The Showboat, Philadelphia, June 24, 1963」とクレジットされている。しかしブックレットには「June 10」とあり、6月10日で間違いないはずだ。
ネットで調べた限りでは、これ以降にこの日の音源が発売された形跡は見当たらなかった。
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2023年2月16日掲載、改訂2023年3月19日)