19621128-04

Everytime We Say Goodbye
(Cole Porter)
(6分14秒)



【この曲、この演奏】
 1962年欧州ツアーでコルトレーンが愛してやまなかったコール・ポーター作のこのスタンダードを、11月28日のグラーツでも取り上げました。

 「The Inchworm」「Autumn Leaves」とこの曲と、コルトレーンは3曲続けてソプラノで演奏しています。その内容は、テーマを大切にし、そこに自分の気持ちをしっとりと表現していくものです。2分半ほどのコルトレーンの演奏の後には、2分強のマッコイの優しさ溢れるピアノ演奏が続きます。そして再びコルトレーンがソプラノで演奏し、素敵なバラード演奏が終わっていきます。




【エピソード、J. クルーゼとM.デロームとのインタヴュー、その30】
(回答の続き)
コルトレーン
 今はモードにこだわっている。モーダルな音楽は毎日、世界中のどこかで演奏されている。特にアフリカで顕著だが、スペインであれスコットランドであれインドであれ中国であれ、耳を傾ければいつでもモードが聴こえてくる。それぞれスタイルは異なるが、その先にあるものに本気で目を向ければ、そこには共通の基盤があることに気づくはずだ。大切なのはそこなんだよ。イギリスのポピュラー音楽は南米のそれとは異なるが、純粋に異国的な要素、言い換えれば、民謡的な要素を取り除いてみると、すべてが同種のペンタトニック・サウンドを有していることに気づく。互いに似通ったモーダリ構造を持っていることにね。私に興味を抱かせ、惹きつけるものは、そうした音楽の持つ万国共通的な一面なんだよ。私はそこを目指しているんだよ。

1962年11月17日のジャン・クルーゼとミシェル・デロームによるコルトレーンへのインタヴュー。ジャズの手帳誌、一九六三年第八号。(資料04)

収録アルバム

【ついでにフォト】

2009年 みなとみらい、横浜

(2022年10月21日掲載)